
私は約3年ほど太陽光発電の営業マンとして太陽光発電に関わってきました。
職業柄、商品である太陽光発電をおすすめしてきましたが、当然どんなに優れた商品であっても必ずメリット(長所)とデメリット(短所)があります。
それは太陽光発電も例外ではありません。
私は以前に東北地方で太陽光発電の営業マンをしていましたが、お客様に必ずそんな太陽光発電のメリットとデメリットの両方を説明させていただいて、納得していただけたお客様にだけ商品の購入を検討していただきました。
太陽光発電を取り巻く環境は、年々変化していてメリットやデメリットも変化しています。
2022年において私が考える太陽光発電のメリットとデメリット、それに加えて実際に私がお客様に提案させていただいた当時からの太陽光発電のメリットとデメリットも併せてご紹介します。
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太陽光発電のメリット
太陽光発電のメリットを6つご紹介します。
よく言われているメリットから元営業マン目線からのメリットからの、かなり玄人的なメリットもありますが悪しからず見てやってください。
環境に優しい
太陽光発電は太陽の光をエネルギー(電気)に変えるので二酸化炭素も排出することがない地球に優しいエコな商品であると言えます。
確かに太陽光発電をライフサイクルアセスメント(製品の製造・輸送・販売・使用・廃棄・再利用における環境への影響を評価する方法)の観点から考えると二酸化炭素は排出されます。
ただ、これはエネルギーペイバックタイム(投入するエネルギーを発電で取り戻すのにかかる時間)の考え方から2〜3年で太陽光発電作成によって排出された二酸化炭素は回収できると言われています。
そして、太陽光発電の寿命はだいたい30年程度で現在も更新中といった具合です。
太陽光発電の寿命とエネルギーペイバックタイムの観点から言って、太陽光発電は購入から2~3年経過した時点で環境に優しいというのはメリットと言えるでしょう。
自宅のステータスになる
これは隠れたメリットになりますが、太陽光発電を設置する事によって地域の住民からの目が変わります。
これは太陽光発電のイメージが世間的にエコな商品、高額な商品(ブランド価値)、ハイテクなどというプラスのイメージを持っていることから、設置することによって地域の住民から尊敬の視線を集める事ができます。
『太陽光発電の付いた家の隣』などという、周囲のシンボルにもなります。
カーポートへの設置で周囲の目を引くのもおすすめです。
これらの優越感はお金には換えられない価値であると言えます。
また、最近では企業なども積極的に自社ビルの屋上などに太陽光発電を設置するケースが増えています。
これは、太陽光発電が持つクリーンな印象で企業イメージの向上の効果を狙ってのものです。
近年では太陽光発電で電気を作る自給自足のライフスタイルがスマートハウスの代表とされ注目されています。
思わぬ副産物としては、将来的に建物を賃貸として貸す際に太陽光発電が設置してある家は建物の価値が向上しますので、賃料も相場よりも高く貸すことができます。
家族が一つになる
太陽光発電を設置すると家の中にカラーモニタと言われるリアルタイムで屋根の上でどれだけの電気が作られていて、使っていて、売られているのかが一目で分かるようになります。
※節約方法でも毎日のレシートチェックや家計簿を付けるという方法がありますが、太陽光発電においてのカラーモニタには節約効果もあります。
これは経済的な面もさることながら、家族の一つのコミュニケーションツールにもなることから設置メリットとなります。
太陽光発電を設置してから一番に行う事がカラーモニターによる発電量の確認と言われる方も多かったです。
今日は天気がよくてたくさん電気が売れているからみんなで外食にでも行こうか?など、天候が一つのコミュニケーションのネタにもなります。
また、親御さんからの嬉しい声としては、子供がエコや環境について考えるきっかけになったと、よく聞きましたね。
経済的にも優しい
太陽光発電を設置する理由の中で一番多かった声が経済的な要素でした。
太陽光発電を設置する事によって、将来的に電気代ゼロ住宅を目指せるというのはかなりの経済的メリットだと言えます。
また屋根や周辺の環境が良ければ、月々いくらかの収入を得ながら太陽光発電を設置できるお宅も存在します。
※毎月の売電代>太陽光発電のシステム価格のお宅が存在します。
マンションから一軒家に住み替えるのは将来の家賃がゼロを目指せるからですよね?
太陽光発電もその発想で、将来的な電気代ゼロを目指しましょうという商品になります。
また、2022年に入って太陽光発電の価格はさらに下落傾向にあり1kWあたり25万円程度に落ち着いています。
当然のことながら初期費用を抑えられるという事は、コストパフォーマンスが向上することを意味します。
非常時の電源になる
これも太陽光発電の設置理由として多かったですが、太陽光発電は大規模な地震や台風などで起きる停電時の非常用電源として使うことができます。
私は2011年3月11日に起きた東日本大震災の時、仙台で太陽光発電の営業をしていました。
その後、お客様の状況確認で一軒一軒訪問点検をさせてもらいましたが、太陽光発電のおかげで炊飯器が使えた!とか、近所の人にもその電源を貸してあげたなど、多数の非常用電源の活躍を耳にしました。
あの時改めて、『太陽光発電の営業してて良かったぁ』と感じました。
また、最近では2019年9月に発生した千葉県南部を襲った台風でもパワーコンディショナを自立運転にさせてエアコンを使えたという声が多かったです。
その他、スマートフォンの充電や炊飯器が使えたりもするので、太陽光発電による非常用電源のメリットは計り知れないものがありますね。
他の自然エネルギーと比べてメンテナンス費用が格段に安い
太陽光発電は稼働する部分がないのでメンテナンス費用が他の自然エネルギーと比べて格段に安いです!
太陽光発電の場合、10年間でだいたい5万円程度のメンテナンス費用なのに対して、住宅用風力発電では1kWあたり年間5千円程度かかると言われていますので4kW設置されたお宅であれば年間2万円の費用になり、10年間では20万円もの費用となります。
太陽光発電と比べると4倍の費用がかかるわけですね。
いかに太陽光発電のメンテナンス費用、維持費が安いかが分かっていただけたかと思います。
このような設置後の手軽さは太陽光発電のメリットですね。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電を設置する事でのデメリット面もきちんとお客様に説明させてもらっていました。
また、当時はデメリットとして考えていませんでしたが、2022年現在になってデメリットとして浮上してきたものもあります。
最新の太陽光発電のデメリット事情をご紹介します。
出力制御が増えている
出力制御とは、電力会社の電気を作る量(厳密には太陽光発電によって作られた電気を買い取った電気)と各家庭に提供する使う量とのバランスが崩れてしまうことを懸念して、電力会社が売電を一定期間ストップさせることです。
出力制御が起きれば、当然ながら売電することができませんので売電収入は見込めません。
日本でも太陽光発電が普及してきたことで、大規模な出力制御が徐々に実施されてきています。
今後も太陽光発電は普及していくことが予想されていますので、出力制御による売電の規制はデメリットと言ってよいでしょう。
特に九州電力管内では2018年以降、毎年大規模な出力制御が行われています。
その他電力管内でも出力制御見通しが算定されるなど今後出力制御の割合は増えていくことが予想されています。
悪徳業者が存在する
参照元:経済産業省資源エネルギー庁
とても残念な事ですが、中には太陽光発電を法外な価格で提供している所やシミュレーションをいかにもメリットの出る計算式を使っている所があります。
また工事がずさんな業者も存在します。
太陽光発電のクレームでも一番多いのは雨漏りなどの施工トラブルになります。
太陽光発電を検討する時には、価格だけでなく販売店としての実績やサポート、メンテナンス、施工の実績なども考慮して比較検討する必要があります。
全てのお宅でメリットの出る商品ではない
お隣の奥さんが太陽光発電がとても良い言っている。
だから私の家も、、、なんて安易に考えられるお客さまがいらっしゃいますが、一軒一軒屋根の大きさ、形、方角、角度が違いメリットの出方も違います。
残念ながら地域や屋根の形によってはメリットが受けられないお宅もありました。
太陽光発電は高額商品ですので、設置前にしっかりと自宅での発電メリットの確認は必要です。
お隣で使っているメーカーだからと安易に考えず、しっかりと3〜5メーカーの見積りを取って比較検討して、自分の家に最適な太陽光発電を選ぶ事が大切です。
天候に左右される
太陽光発電の最大のデメリットと言っても過言ではないのが天気に左右されてしまう点にあります。
北海道や東北地方の方であれば雪の影響でパネルに雪が積もってしまうこともあります。雪がパネルを覆ってしまうと発電はゼロになってしまいますからね。
また、梅雨の時期なんかも発電量は弱いですし(曇りの日でも発電はゼロではありません)、太陽光発電パネルは熱に弱い性質を持っているので、夏場なんかは発電ロスも大きくなってきます。
このように天気に左右されて太陽光発電のパフォーマンスが上がったり下がったりしてしまいますが、私がお伝えしていたのは太陽光発電のパフォーマンスを一年を通してみてくださいということでした。
調子の良い時があって、悪い時もある!それをトータルで見たときにメリットがあれば検討してみてくださいとご案内していました。
ちなみに私が営業を担当していた東北地方は全国的に見ても雪が多い地域でした。
その為1月、2月の発電量はガクンと落ちてしまっていましたが、その分夏場の発電量は関東地方よりもありました。
一年間でみると太陽光発電の天敵である雪がある地域でも、きちんとメリットが受けられていました。
周辺環境に左右される
太陽光発電は太陽の光を電気に変える商品ですが、直射日光は必要なくてあくまでも太陽光の明るさ(明度)によって発電量が変わってきます。
その為、太陽光発電を設置してから自宅前に大きなマンションが建ってしまって発電量が落ちてしまうことも考えられるわけです。
マンションだけでなく、大きな木が育ってしまって発電量が落ちてしまうこともありますよね。
一応、太陽光発電を設置しているお宅には日照権という権利があり大型マンションの建設に対する意見を言う権利はありますが、そもそもそうゆう事態になる事自体がおっくうですよね。
特に開発地区にお住いの方などは周辺環境が落ち着いてから太陽光発電の設置を検討することをおすすめします。
FIT終了後の売電が確定されていない
現在(2022年1月時点)の太陽光発電では住宅用(10kW以下のシステム)で10年間、産業用(10kW以上のシステム)で20年間決められた価格で発電した電気を買い取ってくれるFIT制度(固定価格買取制度)の恩恵が受けられます。
ただ、この10年後、20年後の売電に関してはまだどのようになるのか定かではありません。
売電の向う先に関しては定かではありませんが、それでも2016年4月から施行された電力の自由化の影響で電力事業に名乗りをあげる企業もいくつもあることから売電に関しては問題なくメリットが受けられることになりそうです。
2019年にはFITが開始して10年経過するシステムが出てきますが(2019年問題と言われています)、既に大手電力会社や新電力では売電の継続が発表されています。
FIT終了後の売電に関しては、新電力も含めて一番メリットのある会社に決めるようにしましょう。
設置価格が下がってデメリットではなくなった
2~3年前までは4kW程度の住宅用太陽光発電システムでも200万円以上というのが相場で、設置価格が高額になってしまうのは太陽光発電のデメリットでした。
ただ、近年では設置価格も下落し4kW程度の太陽光発電システムであれば100万円以内で設置可能になりました。
メーカーによっては60万円以内で設置できるものも存在しています。
売電価格や補助金額が下がっているとは言え、設置費用の下落は設置者にとって大きなメリットとなります。
ちなみに設置費用が下落したことで太陽光発電システム購入費用は7.9年程度で回収できるようになりました。
蓄電池と併用する事でよりメリットが大きくなった
最近の傾向としては、蓄電池の価格も下落していることから太陽光発電と併用して設置する事でよりメリットが大きくなりました。
というのも、昨今の燃料価格の高騰を受けて電力・ガス会社が揃って値上げしています。
このような情勢を受けて、太陽光発電で作った電気を売電するのではなく自家消費するほうがメリットが大きくなりました。
そこで、太陽光発電で作った電気を貯めておける蓄電池との併用を選ぶ方が増えています。
蓄電池に関してもテスラが2020年に日本での発売を開始したことをきっかけに大きく相場が下がり100万円以内で設置可能な蓄電池も存在しています。
今後は太陽発電と一緒に蓄電池も念頭において導入の検討をすることをおすすめします。
太陽光発電のメリット・デメリットまとめ
- 環境に優しい
- 家族が一つになる
- 経済的にも優しい
- 自宅のステータスになる
- 非常時の電源になる
- メンテナンス費用が安い
- 出力制御が増えてくる
- 悪徳業者が存在する
- 全てのお宅でメリットの出る商品ではない
- 天候に左右される
- 周辺環境に左右される
- FIT終了後の売電が確定されていない
太陽光発電のメリットとデメリットをご紹介しましたが、一軒一軒メリットとデメリットに対する考え方が違っていました。
環境のメリットを一番に考えて太陽光発電を設置される方もいらっしゃれば、天候を気にしながら生活するのは嫌だから設置しないと言われる方もいらっしゃいました。
大切なのは何が自分にとってメリットと感じるのか、デメリットと感じるのかを整理して設置するしないを決めることです。
なので私も全ての方に太陽光発電は良いものです!とは言えないんですね。
ただ、最近の太陽光パネル・蓄電池の価格下落や性能のアップもあってメリットが出るお宅が一昔前に比べて多くなったのは事実です。
メリットの出方も変化していきますので、ご自分で定めたメリットが出るまで待つというのもアリでしょう。
その為にも、現在のあなたのお宅でどれだけの電気代が作れてどれだけの電気が売れるのかをシミュレーションしてもらう事をおすすめします。
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