太陽光発電は環境に優しく、なおかつ経済的なエコ商品ですが、全ての家におすすめできるものではありません。
設置環境によっては太陽光発電に向いている家・向いていない家が存在します。
既存住宅に太陽光発電の設置を検討しているなら、建物が太陽光発電に向いているのか、向いていないのか確認してから設置するようにしてください。
また、これから新築に太陽光発電を設置する予定であれば、太陽光発電に向いている条件を取り入れて太陽光発電に向いている家にしてください。
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太陽光発電に向いている家
屋根が南側を向いている家
屋根が南側を向いている家は太陽光発電設置に向いている家です。
真南(南緯90度の方向)に太陽光発電を設置する面がある屋根であれば太陽光発電が100%発電してくれます。
東側、西側では15%落ちて85%の発電能力となります。
南側の発電力が100%というのは、太陽は東から上り、夕方西へ沈んでいきますので、南側の屋根が一日を通して一番太陽光を浴びることになるという理由からです。
したがって、四方向に屋根がある寄棟屋根などは南側にできるだけ多く太陽光発電を設置すると効率よく発電してくれることになります。
この方角と太陽光発電の関係は発電シミュレーションする時も使うものなので、太陽光発電選びにおいてとても大切です。
屋根面積が広い切妻屋根の家
太陽光発電に向いている代表的な家は面積の広い切妻屋根(2方向に勾配を付け三角形を形取った屋根)です。
太陽光発電のコストパフォーマンスを考えるのであれば切妻屋根が最も太陽光発電に向いています。
最近はおしゃれな寄棟屋根が主流になっていますが、太陽光発電の設置には寄棟屋根よりシンプルな切妻屋根のほうが向いています。
また既存住宅でも、東北や北陸の建物は雪がすべり落ちる『落雪式(らくせつしき)住宅』になっている建物が多く、なおかつ南側の屋根が広くとられていることが多いため、太陽光発電にとっても向いている家になっているのが特徴です。
日射量の多い地域に建つ家
日射量の多い地域に建つ家は当然ですが太陽光発電に向いている家です。
日射量とは、一定時間に太陽から降り注いでくる光のエネルギー総量を示すもので、単位はkWh/m2(またはMJ/m2)で表されます。
日射量の多い地域の特徴は、台風の影響が比較的少なく、気温も暑すぎず寒すぎない雪の影響が少ない地域です。
具体的には、山梨県・兵庫県・徳島県・高知県・和歌山県などが毎年日照時間で上位の県で日射量も多い地域です。
日射量が多い地域でも、太陽光発電は熱に弱い性質があるので夏場の気温が40度を超えるような地域は発電効率が落ちてしまうので太陽光発電が向いている地域とは言えません。
盆地にある家は夏場の高温が懸念されるので、設置前のシミュレーションは特に注意が必要です。
ちなみに太陽光発電の発電量は、各地方の日射量×システム設置容量×0.85(システム出力係数)で求められます。
屋根勾配が5・6寸(角度30度程度)の家
太陽光発電は太陽に対する角度も発電量に影響してきますが、屋根勾配は緩すぎず、急すぎず5・6寸の家が太陽光発電に向いています。
5寸・6寸の屋根は角度で言うと、26.565度~30.9638度です。
ちなみに太陽光発電の最適な角度は30度と言われています。
陸屋根(ろくやね:屋根角度のない平らな屋上屋根)は30度にして太陽光発電を設置できますが、強風によってパネルや部材が吹き飛ばされるリスクが勾配のある屋根と比較すると高くなります。
太陽光発電に向いていない家
屋根が北側を向いている家
屋根が北側を向いている家は太陽光発電に向いていませんのでおすすめできません。
真北の太陽光発電の発電能力は65%まで低下します。
さらに真北より東西に振っている家はさらに発電能力が低下します。
寄棟屋根であれば、東に振っている家の場合、太陽光発電の接地面は南側と東側になります。
西側と北側は日射量の観点(コストパフォーマンス)から太陽光発電の設置はおすすめできません。
屋根が極端に狭い(入り組んでいる)家
屋根が極端に狭い家や屋根が入り組んでいる家は太陽光発電に向いていません。
また天窓がある家も、天窓部分には太陽光発電を設置できませんので向いていません。
狭い屋根に少量の太陽光発電を設置することも可能ですが、コストパフォーマンスが落ちてしまいます。
例えば、1kwしか太陽光発電を設置できなかった場合各メーカーの一番容量の小さいパワーコンディショナーを設置しても、必要以上のパワーコンディショナーを使うことになってしまいます。
また、大きなシステムを設置しても足場代や人件費は小さなシステムとさほど変わりません。
このようにコストパフォーマンスの観点から屋根が狭い家、入り組んでいる家は太陽光発電に向いていません。
築年数が古い(50年以上)木造の家
築年数があまりに経過している木造の家には太陽光発電は向いていません。
築年数が古い木造の家の屋根はある程度傷んでいるので、太陽光発電設置によって雨漏りのリスクがあるためです。
太陽光発電を屋根に設置するためには、架台と言われるレール上の土台を屋根に穴を開けてビスで設置します。
当然、ビス穴にはコーキング処理が施されますが、それでも傷んでいる屋根では周辺から雨漏りが発生することがあります。
きちんとメンテナンスしている家であれば屋根の劣化具合も少ないので一概にはいえませんが、一般的な建物であれば新築から50年以上経過している家には太陽光発電は向いていません。
雪が懸念される地域に建つ家
冬に大量の積雪が懸念される豪雪地帯では太陽光発電は向きません。
太陽光発電は太陽の光(光の強さ)を電気に変換しているわけですが、太陽光パネルを覆ってしまうと発電はストップしてしまいます。
曇りや小雨では少量ではありますが発電します。
冬場(12月後半~2月)雪の影響でまったく発電しない地域も存在します。
屋根に登って雪下ろしすれば発電しますが、落下の危険性があるのでおすすめしません。
雪が懸念される地域では雪国専用のスノーソーラー(雪が落ちやすい表面がフラットなパネル)を設置することで発電ロスを防ぐことができます。
近隣の高い建物や木などで影が懸念される家
近隣に高い建物や気がある地域に建つ家は太陽光発電には向いていません。
また、これから近隣に3階以上の建物が建設される可能性がある地域もリスク回避のために、太陽光発電の設置には十分な周辺リサーチが必要です。
市街化調整区域や第一種低層住居専用地域では用途地域の建築基準法に基づく制限によって近隣に高い建物が建設される可能性はありませんが、商業地域や工業地域では近隣に大型の建物が建設される可能性があります。
建物がある地域がどの地域に分類されているかも確認して太陽光発電を設置すると影のリスクを回避することができます。
法令に基づく制限や用途地域については、各自治体の都市計画課に問い合わせることで教えてくれます。
設置前シミュレーションで太陽光発電の向き・不向きを確認しよう
太陽光発電が向いている家か向いていない家かはほとんど場合、設置前に把握することができます。
太陽光発電を設置検討している家が向いている家であった場合は、あとは一番発電メリットの大きいメーカーを選ぶだけです。
近年では太陽光発電の改良も進んで小さく発電力のあるパネルが各メーカーから発売されています。
自分の家の屋根が小さいからと言って諦めるのではなく、とりあえずシミュレーションしてもらって発電メリットの確認をすることをおすすめします。
築年数が50年以上経過している家であっても、まずは屋根の状態を見てもらってから太陽光発電設置の判断をしましょう。
太陽光発電が向いていない家であった場合でも、リスクを許容してから設置するようにしてください。
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