太陽光発電の訪問販売トラブルが急増しているワケ

訪問販売によるリフォーム工事相談件数推移

PIO-NETに登録された相談件数の推移
PIO-NETに登録された相談件数の推移

訪問販売営業がトラブルへと発展する一番の原因は即決を迫ってくることにあります。

『今日だけはこの価格です』

『年度末特別価格です』

『モニターあと一組だけです』

などと、即決文句を並べて営業してきますので注意が必要です。

上記の表は、2020年~2023年までの国民生活センターに寄せられた訪問販売によるリフォーム工事(太陽光発電工事含む)相談件数の推移です。

各自治体から訪問販売による注意喚起があるもの、一向に減っていないことが分かります。

相談の内容としては

  • 自宅に上がり込まれ強引に契約させられたが、解約したい
  • 契約締結後に業者と連絡がつかなくなってしまった
  • 今月中に契約すれば10万円割り引くと言われて不信感を持った
  • 契約日がおかしい

などがあり、相談の割合としては『契約の解約』に関するものが一番多くなっていることからも、訪問販売による強引な勧誘やオーバートークによる不実告知であることが予想できます。

全ての太陽光発電を扱う訪問販売会社が悪いと言っているわけであはりませんので悪しからず受け取っていただきたいのですが、現に『契約の解約』の相談が多いという事は強引な勧誘活動が行われているという事です。

是非とも、即決はせずに比較対象の一社として見積もりを取るくらいの余裕を持って訪問販売会社にあたることが大切だと言えます

その余裕を持つ自信がないなら話しは聞くべきではありませんね。

一番はじめにあげたように、訪問販売の性質上価格は高くなりがちです。

価格を一番に考える方は訪問販売の営業マンの話しは、はなっから聞かなくてもよいでしょう。

訪問販売業者の太陽光発電の価格は相場より高い

訪問販売営業とは見ず知らずの営業マンが自宅にアポなしで訪問して太陽光発電を勧めると言った営業方法です

最近のエコブームから環境製品が注目されるようになりました。

そしてそれに便乗するように増えたのが、太陽光発電の訪問販売営業です。

この訪問販売は基本的に人海戦術で営業マンを数多く抱えて『数打ちゃ当たる』営業ですが、考えてみれば分かりますが営業マンのコスト(人件費)が高くつく営業方法であると言えます。

したがってどんなに良心的な訪問販売であっても、インターネットを中心に販売している所のほうが圧倒的に太陽光発電システムの価格が安くなる傾向にあります。

太陽光発電の訪問販売の手口としては、『モニターになりませんか?』や『キャンペーン特別価格』などと誘い文句を言ってきますが訪問販売は、そもそもの価格が高いのでそれほど魅力的でない事が多いです。

訪問販売の営業マンは質が低い

訪問販売の営業マンは質が低い傾向にあります。

これは離職率の高さからくる経験不測の営業マンが多いという理由があります。

街で配られている求人票などにも営業マンの募集ってたくさん出ているかと思いますが、毎回出稿している企業などは離職率の高さの表れでもあります。

訪問販売は人海戦術による営業だと冒頭でご説明しましたが、一般住宅を一軒一軒ピンポンしていく非常にハードな仕事です。

雨の日も風の日も雪の日もひたすらピンポンしていきます。

これが訪問販売が離職率の高い仕事である一番の理由です。

また、初めてピンポンする営業マンはアポ取り営業マンと言って、アポのみを取り付ける専門の営業マンです。

アポが取れたらその後、上司である経験豊かな営業マンがその家を担当することになります。

最初のアポ取り営業マンは新人が担当していることも多く、太陽光発電のシステムもよく分かっていなくても『太陽光発電に興味はありますか?』と聞いて回る仕事になりますので、体力さえあれば務まる仕事です。

割合で言ったらアポ取り営業マンが80%、クローザーと言われる説明を担当する営業マンが20%と言ったところでしょう。

太陽光発電の訪問販売営業の手口

最近では、太陽光発電に関わらず新聞でもインターネット回線でも浄水器でも訪問販売を行っていますが、時代の影響からどこも厳しい状況です。

また、少し前に訪問販売による被害が多発したため、法律面の整備が整ったことも、訪問販売業界の縮小に拍車をかけているようです。

ただ、訪問販売業者はまだありますし、そもそも訪問販売自体は違法ではありませんし、全ての訪問販売業者が悪質業者ではありません。

悪質業者と言われる太陽光発電の訪問販売の営業マンの手口としては、まず最初は目的を告げませんね。

『ここら辺の日照について調べている』

『太陽光発電のお知らせで来ました』

『各家庭について省エネについて聞いて回っています』

など、最初は太陽光発電の販売は置いておいて話しのとっかかりを作りにきます。

そして、省エネには太陽光発電です!とか、日当たりがいいなら太陽光発電です!などと、持っていくわけですね。

ここら辺のことは法律(特定商取引法)でもきちんと定めてあります。

事業者は、訪問販売を行うときには、勧誘に先立って、消費者に対して以下のことを告げなければなりません。
・事業者の氏名(名称)
・契約の締結について勧誘をする目的であること
・販売しようとする商品(権利、役務)の種類

事業者の氏名等の明示(法第3条)より抜粋

販売すること目的を告げずに勧誘行為をすることが違法です。

自治体からも太陽光発電の訪問販売に関する注意喚起がたくさんある

市民の方から、「市職員を騙る太陽光発電システムの訪問販売があった」との情報が寄せられました。

市では、補助制度をご利用いただくことによる太陽光発電システムの普及促進をしていまが、直接訪問して設置をお願いすることは、一切行っておりません。

市職員を騙る悪質な訪問販売にご注意ください。

また、町田市と業者との太陽光発電システムに関する提携は行っておりません。

行政との提携を誘い文句にした訪問販売にもご注意ください。

町田市役所

荒尾市内において、「荒尾市から委託を受けて各家庭を訪問している」と語る太陽光発電・蓄電池の訪問販売があっているとの情報提供がありました。

荒尾市では、各家庭や事業所等への訪問販売を業者へ委託しておりません。

今後も、荒尾市からの委託を語る業者が訪問する可能性がありますので、ご注意ください。

荒尾市役所

 市では家庭向け太陽光発電システム設置費用の一部補助を行っていますが、訪問販売業者が「市が費用を全額補助するので、無料で太陽光発電システムの設置ができる」と勧誘する案件が発生しています。

 市の補助金は発電システムの能力に応じ最大12万円までとなっていますので、悪質な勧誘にはご注意ください。

寝屋川市役所

万が一悪質業者と契約してしまったらクーリングオフ

クーリングオフのやり方『内容証明書例』
クーリングオフのやり方『内容証明書例』

クーリングオフの正規のやり方は、内容証明郵便による方法が最も確実な方法です。

訪問販売から太陽光発電を購入してしまってから、相場よりも高い金額だという事がわかり契約を破棄したいということもあるかと思います。

この場合は、契約後から一定期間内であれば契約を破棄できるクーリングオフという制度を使うことができます。

クーリングオフとは、一定期間内であれば事業者との間で申込みまたは締結した契約を、無理由かつ無条件で撤回・解除できる消費者保護の制度です。

訪問販売によるクーリングオフの期間は8日と設定されていて、契約書が不備なく記載された日を1日目として8日間がクーリングオフ期間です。

内容証明郵便に記載する内容は以下の5つです。

  • 契約年月日
  • 商品名
  • 販売会社名
  • 契約者の住所
  • 契約者の名前

そしてコピーを2部作り、全部で3部を郵便局に持っていき、内容証明郵便にて発送します。

3部の行き先は、相手方、郵便局、発送者で1部づつになります。

その際に、配達証明を付けるようにお願いすると、相手方に内容証明が届いたらハガキにて知らせてくれます。

内容証明以外には、ハガキや手紙でも上記の5つの記載内容があればクーリングオフは行使されます。

ただ、太陽光発電の訪問販売の場合、窓口となる担当者がいるケースが多いので(通常は契約に立ち会った営業マン)、その担当者に契約破棄の意思を口頭で伝えるだけでクーリングオフすることができます。

実際の判例で言えば、平成6年8月31日福岡高等裁判所で口頭によるクーリングオフが認められています。(判例時報1530号64項)

心配な方は日本訪問販売協会に問い合わせてみる

全ての訪問販売業者が悪質業者ではないとご説明していますが、じゃあどこからが優良な業者なのかと言えば一つの指標として日本訪問販売協会(JDSA)に加盟しているかどうかを確認することをおすすめします。

日本訪問販売協会とは、特定商取引法の遵守、会員企業が守るべき『倫理綱領』の徹底を指導する公益法人になります。

当然悪質な営業を繰り返すような質の低い企業は協会から指導が入りますし、指導後にも悪質な営業が改善されなければ除名となります。

相談窓口も設置されていますので、現在訪問販売営業を受けていて不安に感じることなどあれば相談してみるとよいでしょう。

訪問販売ホットライン(フリーダイヤル:0120-513-506)

また、ホームページには会員の一覧もありますので、目を通しておくと安心ですね。

⇒ 会員一覧 | 公益社団法人日本訪問販売協会公式WEBサイト

2022年5月ソーラーパネルの訪問販売業者に業務停止命令

2022年5月太陽光発電の訪問販売で高齢者らに嘘の勧誘をしていたなどとして、消費者庁は販売していた会社に9カ月の業務停止などを命じました。

業務停止命令を受けたのは、業務停止命令を受けたのは「サンパワージャパン合同会社」「株式会社エムアンドアイ」「株式会社ア・ライク」の3社です。

太陽光パネル1枚あたり10万円程度で販売し、売電収入はリース料という形で振り込む形となっていたようですが、実際の振り込みはなかったとのことです。

今回の業務停止命令は特定商取引法違反(第6条第1項第1号、法第7条第1項第1号)があるとしての措置です。

その他、過去に行政処分を受けた悪質業者を別ページで掲載しました。

悪質業者の詐欺事例も紹介していますので、ご覧ください。

訪問販売に騙されない為の5チェックリスト

全ての訪問販売業者が悪質業者ではありませんが、訪問販売を生業とする業者は価格が相場より高かったり、営業マンの質が低かったりといったことは否めません。

検討中の訪問販売業者が検討に値する業者であるか5つのチェックリストを作成しましたので参考にしてみください。

各メーカー(最低3社)のサービス、価格を比較してみたか?

太陽光発電のメーカーは国内だけでも10以上、海外メーカーも合わせると20以上にもなります。

どのメーカーにも特徴があり、太陽光発電は一概にどのメーカーが良いということは言えません。

それは家の屋根の形はさまざまあり、家の向きや傾斜、地域などによってもメリットの出方が変わってきます。

どうせ設置するなら1番メリットのある太陽光発電を設置しましょう。

訪問販売業者は基本的に即決を迫ってくるので検討させるメーカーも最初から一つに絞って提案してきます。

業者が扱っているメーカー全てのシミュレーションをもらって、各メーカーの特徴などを踏まえてつつ最適なメーカーを選ぶようにしましょう。

太陽光発電の仕組みをきちんと理解したか?

何気に多いのが太陽光発電っていいものだというイメージから、訪問販売業者の言いなりに設置すればメリットが受けられると考えられている方です。

しかし、太陽光発電のメリットは自分の家の屋根で作った電気を自分の家で使うことができることと、余った電気を売る事ができることの2パターンあります。

自分の家で作っているからとバンバン電気を使ってしまうのは、経済的な事を考えて太陽光発電を取り付けた方にとって本末転倒な行為と言えます。

また太陽光発電はパネル(モジュール)だけでは作用しましません。

屋根で作った電気を家で使える変換機(パワーコンディショナー)や発電モニタ(リアルタイムの発電量が分かるモニタ)などの付属品が付いてきます。

それら付属品の部品の交換時期やメンテナンスなども頭に入れておきましょう。

担当してくれる営業マンは信用できる人か?

太陽光発電設置に関してあなたに1番近い存在なのが営業の方です。

なにかあったときに(もちろんなにもないのが一番です)親身になって話しを聞いてくれる経験豊富な方がいいですね。

現在の太陽光市場というのは一時のピーク時よりは落ちましたが、まだまだ活気な産業です。

そのような状況から人手不足な状況と言えます。

そのような状況だと残念ながら未熟な営業マンも多いのが事実です。

あなたと一番近いのは営業マンですが、あなたの要望などを施工会社に伝えるのも営業マンです。

太陽光発電の営業マンに求められるのはただ売るだけの営業マンではなく、そのようなトータルサポートができる営業マンです。

特に訪問販売業者の営業マンは離職率が高く実績の少ない営業マンがごまんと存在します。

また訪問販売の営業マンに多いのが、販売テクニックにばかり上手で裏側の施工や保障などについて疎い方がいます。

で、太陽光発電を設置してから消費者が本当に知りたい事ってこの施工や保障についてのことが多いんですよね。

そうゆう意味でも太陽光発電とその周辺について熟知している営業マンであることが必要です。

あなたに一番近い営業マンは信用できる営業マンですか?

業者に販売実績はあるか?

上記で信頼できる営業マンから買いましょう!とご説明しましたが、やっぱりその営業マンが所属する会社もきちんと精査しましょう。

というのも、太陽光発電の訪問販売業者というのはシステムを売る人は一人でも可能な為、一人で会社を立ち上げて工事は施工会社にお願いすると言う最小限で活動している人もいるからです。

なので3〜4人の会社というのもざらにあります。

このような会社の何がいけないかと言いますと、人材不足によってサポート面が不十分になります。

一度設置したら当分メンテナンスの必要がいらないのが太陽光発電のメリットの一つですが、それでも十分に発電しているのかシステムは100%で稼働しているのかなど、素人目には分かりません。

そのような箇所を2〜3ヶ月に一度、サポートとして行える人材配置ができる会社なのかどうかというのが大切になります。

また当然ながら中小零細企業では倒産の可能性も大きいので、販売会社が倒産してしまったらサポートなどもなくなります。

販売会社の信用度、実績も大切な項目です。

できれば太陽光発電の施工IDを取得していて、太陽光発電の提案から販売、施工、アフターサポートまで自社で一貫して行っている所をおすすめします。

施工に関して問い合わせしたら返答が帰ってくるまでに2〜3日かかるなんて、やってられません!

施工会社に豊富な設置(施工)実績があるか?

太陽光発電の場合、主に業者と施工会社が違う所が多いのは上記項目でご説明しました。

そして訪問販売業者に圧倒的に販売会社です。

それは施工よりも販売のほうが利益が大きいからですね。

太陽光発電ではここの施工の部分が一番重要になります。

というのも、太陽光発電の工事は半日もあれば通常のお宅であれば一件施工が完了する程度の工事になりますが、その為施工会社も無理な工事の受け方をして、それが工事のミスに繋がったりします。

または、工事費を削減しようと本来必要である部材を使用していなかったりと、施工に関してのトラブルは本当に多いです

実は、太陽光発電のトラブルの多くはこの工事ミスによるものなんです。

一日に1件以上のペースで工事を行っていて、無理な件数をこなしていないかどうかが大切になってきます。

この点に関しては、インターネット一括見積もりサービスを使う事で手間なく実績のある業者を紹介してくれるのでおすすめです。

太陽光発電の訪問販売まとめ

一昔前の高額な商品をお年寄りに販売する業者から訪問販売のイメージが悪いですが、全ての訪問販売会社が悪質業者なわけではありません。

ただ、訪問販売による販促手法は営業マンによる人海戦術で行っているケースが多いので、価格が高い傾向にあることは否めません

また、最近は訪問販売営業に対する世間の風当たりも厳しい為、一部の悪質業者は過剰なトークをまだ使っています。

昔は、情報が伝わるのが遅かったので、訪問販売営業マンによる情報が最新のものでありとても重宝されるものでしたが、インターネットが一般化した現在では情報の鮮度というメリットはなくなってしまいました。

くれぐれも訪問販売による設置検討をされる際には、即決はせずに、他社との価格やサービスを比較することをおすすめします!

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