太陽光発電のトラブルが毎年のように取りざたされています。
2010年に余剰電力買い取り価格がそれまでの倍に跳ね上がったことや、国からの補助金が1kWあたり7万円(現在は停止されています)になったりもあって、太陽光発電を扱う販売業者が多数現れました。
一人で販売している小さな所から近所の工務店、大手家電量販店、上場している大きな所まで本当にたくさんの販売業者があります。
そして大変残念な事ですが、中には法外な価格で販売している悪質業者も存在することから、太陽光発電のトラブルが後を絶ちません。
2022年7月には山梨県北杜市で行われた太陽光発電設備の設置を巡る住民説明会で業者が住民を恫喝・暴行するというトラブルも発生しました。
契約の場で印鑑を押すまで帰らない業者や強引な勧誘を繰り返す悪質業者も存在します。
トラブル回避の為にも太陽光発電の価格だけにとらわれずに実績や口コミなども含めて太陽光発電の業者を選ぶことをおすすめします。
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太陽光パネルや銅線の盗難トラブル
産業用太陽光発電の場合、設置場所が目に付きにくい場所になる場合が多く、監視環境も整っていないことも多く盗まれてしまうことが多発しています。
銅線の盗難は毎年行われていて最近で言えば、2022年6月に千葉県香取市内にある太陽光発電施設で135メートル(63万円相当)の銅線の盗難が発生しています。
住宅用太陽光発電でも、屋根やカーポートではなく庭先や畑などに設置しているお宅は監視カメラを設置するなどして盗難トラブルに十分に気を付ける必要があります。
太陽光パネル発火トラブル
2018年1月28日に消費者安全調査委員会(消費者事故調)から太陽光発電に関する発火トラブルに関するデータが公表されました。
それによると、2008年3月から2017年11月までに太陽光発電を設置した住宅から発火や発熱、発煙などのトラブルが127件あったというものです。
発火原因は、ケーブルの接続が悪かったり、分電盤に不具合があったりなどの施工ミスが原因になります。
発火事故は優良業者に任せることでほとんど解決できると言ってよいでしょう。
太陽光発電詐欺トラブル
- 契約後に工事を行わない詐欺
- モニター商法による詐欺
- 私募債詐欺
- 売電期間を15年と偽る詐欺
- 手数料詐欺
近年増えたトラブルとして太陽光発電関連の詐欺事件があります。
警察庁の『平成29年の特殊詐欺認知・検挙状況等について』では、平成29年の詐欺件数は18,212件、被害額は394.7億円と発表がありました。
ちなみに詐欺事件での被害者における年齢層では、65歳以上の割合が72.5%との結果になっています。
悪質業者がよく使う手法の一つにモニター商法があります。
モニター商法とは、地域限定でお得な価格で提供する代わりに即決を求めて来る営業手法です。
実際には、モニターとは名ばかりで見積書を改ざんして釣り上げて、そこにいかにもお得感を出すように値引き金額が明記してあります。
太陽光発電が普及する前の2009年頃では自治体によるモニターの募集もありましたが、現在ではモニター募集はほぼ全て悪質業者が使う手法だと思って間違いありません。
施工店による手抜き工事トラブル
急激に太陽光発電が一般家庭に普及したことで、施工技術者が足りなくなる現象が起きました
それによって、一日に4〜5件の施工を行うという無理な施工会社が現れ施工がずさんになり、それによって雨漏りなどのトラブルが発生しました。
また、無理なスケジュールをこなそうと職人のスキルが不足している状態で施工を任され雨漏りなどのトラブルに発展するケースもあります。
施工会社に実績があるのはもちろん確認したいところですが、無理なスケジュールで施工を行っていないかもトラブル予防の為に確認しておきたい所です。
悪質業者による太陽光発電の高額販売トラブル
現在は国からの補助金は停止していますが、2011年に国からの補助金や買い取り価格がそれまでの倍の48円になったことで、業者が急増しました。
目立って増えたのが一軒家に訪問して販売する訪問販売業者です。
そして太陽光発電についてよく分からない高齢者に通常よりも高額で太陽光発電システムを強引な勧誘によって契約させてしまうトラブルが頻発しました。
また、『初期費用0円』という甘い言葉を使って、実際には単なるローン組みによる支払いだったという事例もあります。
もちろん全ての訪問販売業者が悪い業者なわけではありませんが、訪問販売という営業手法は人海戦術なので人件費(経費)が多くかかるというこで、システムの価格は通常よりも高い傾向にあります。
訪問販売業者による強引な勧誘は今も根強く残っているので、トラブルの予防のためにも興味のない場合にはしっかりと断りましょう。
発電シミュレーションの水増しトラブル
各メーカーによって発電量が違いますし、一軒一軒屋根の大きさや形、ライフスタイルも違うのでどれだけの電気が作れてどれだけの電気が売れるのかは家の屋根の立面図を見てシミュレーションをしなければ正確には分かりません。
そして、このシミュレーションで過度な数値を算出して消費者を騙す業者が出てトラブルの元となっています。
しかし、このシミュレーションに関しては一般的にはよく分からない計算をすることになるので、単純に出された数値を信じるのではなく、その根拠となる計算式まできちんと見せてもらうことが大切です。
また、計算してもらったシミュレーションは太陽光発電設置後もきちんと管理して、万が一の時に業者につき出せるようにしておきましょう。
家の前に急に高い建物が建設されて屋根が影になるトラブル
太陽光発電を設置してしまった後で家の前に大きなマンションが建ってしまって屋根が影になってしまうトラブルもあります。
このようなトラブルを避ける為に、太陽光発電を設置する前にはきちんと近隣の環境も把握してから設置に踏み切りましょう。
特に、家の前が空き地になっているお宅や畑になっているお宅は、現在は日差しが良いかと思いますが、その空き地にマンションなどの高い建物が建つ可能性は十分にあります。
特に商業地域、工業地域に建設された建物の場合、近隣に高い建物が建設可能性が十分にあることは念頭に置いておきましょう。
法律では所有権の範囲内で土地や建物を自由に建築できるのが原則であるため(憲法29条1項,2項)建物を建てる行為自体は違法にはなりません。
ただ、新しく建築されたマンションによって太陽光発電システムの発電に著しく影響を与えた場合には、損害賠償請求も可能となってきます。
私達には日照権という、最低限の日差しを受ける権利が確保されていますが、それでもマンションの建設などになると弁護士の力を借りる事になり、かなりの労力を使う事になります。
また、違法性のない建物が近隣に立つことによって日照権が脅かされても絶対的な権利は言い難いケースが多いです。
ちなみに影が出来たから太陽光発電の移設を考える方もいらっしゃいますが、移設費用の相場は50万円~100万円と高額になる事から、太陽光発電の移設はおすすめしていません。
太陽光発電の反射光(近隣)トラブル事例
太陽光発電は日常的なメンテナンスの必要も操作する必要もない、極めてストレスが少ない製品ですが、まれに設置後にトラブルが起きる事があります。
その一つが、近隣への反射光によるトラブルです。
反射光とは、太陽の光が太陽電池モジュールに反射する事ですが、この反射光が近隣住民の生活に支障がでるケースがあります。
反射光によるトラブルのケースを紹介します。
反射光によって損害賠償220万円
最初に原告側Aさんの家が建っていて、しばらくして被告Bさんの家がAさん宅の南側に建ちました。
Aさん、Bさんの家はともに2階建てですがBさんの家はAさんよりも土地が低い箇所に建てられていました。
そしてBさんの屋根には太陽光発電が設置されていて、その内訳は南側に7枚、北側に12枚設置していました。
今回の争点は、Bさん宅の北側に設置された太陽電池モジュールから反射される反射光がまぶしくて生活に支障がでてしまうほどだったことから起きました。
このことからAさんはBさんとBさん宅を担当した住宅メーカーに損害賠償金として220万円と北側に設置した12枚の太陽電池モジュールを撤去することを請求しました。
結果、横浜地裁はBさん宅の太陽電池モジュールから反射される反射光はAさんの生活に支障をきたすのに十分であるとしてして、Aさん側(原告)の勝訴と言う結論になりました。
反射光が原因で熱中症になった方の損害賠償
太陽光発電の反射光が原因で室内の温度が上がり、時には室内が50度までにも上昇し生活に支障をきたした方もいらっしゃいます。
遂には開発会社に向けて330万円の損害賠償訴訟を起こすことにまで発展します。
この訴訟は結果的に開発会社側の勝訴で終わりました。
反射光のトラブルは眩しいというだけでなく、温度にまで発展するやっかいな問題です。
最近では農地などを開拓して産業用の太陽光発電を設置する方も結構いらっしゃって、これから反射光のトラブルは多くなりそうな予感です。
反射光によるトラブルが起きる原因と対策
反射光のトラブルでは北側の太陽電池モジュールによるよるものがあります。
私は北側への太陽電池モジュールの設置はオススメしていませんが、中には北側への設置を勧めてくる業者もあるようです。
本来、南側へ太陽電池モジュールを設置すると日本の屋根勾配(16°〜31°)から考えると、太陽の入射角ではほぼ空方向へと反射されるので、近隣住宅へ反射光が向けられることはありません。
しかし、東西面や北側に太陽電池モジュールを設置すると太陽の入射角の関係から近隣宅へと反射光が向く事があります。
対策としては、南側以外への太陽電池モジュールの設置をお考えの方は、業者、施工会社と相談し近隣住宅に反射光が向く可能性があるのかどうかきちんと相談すること。
また大前提ではありますが、信頼のおける実績のある販売業者にお願いする事。
私の担当するお客様では反射光によるトラブルはありませんし、実際に他からもあまり聞きませんが、上記のAさん宅、Bさん宅のような家の関係や太陽電池モジュールの北側への設置などの条件が揃うと反射光によって被害が発生するお宅が出る事もあります。
施工会社も気にはしているでしょうけど、一応南側以外への設置を検討する場合には施工会社と相談しておきましょう。
自然災害による太陽光発電トラブル
最近で言えば2019年9月に起きた千葉県南部を襲った台風が記憶新しいですが、それによって家とともに太陽光発電もダメになってしまうお宅もありました。
太陽光発電を家に設置すると家の火災保険に太陽光発電を組み込む事ができますが、別途手続きが必要になります。
ちなみに火災保険では地震は適応対象外になりますので、地震を心配される方は地震保険への加入が必要になります。
そして、メーカーによっては災害保証をうたっている所もありますが、その保証も地震による損失は対象外となっているメーカーがほとんどです。
日本と言う国は地震が多いと言う特徴がある国です。
太陽光発電の地震保険には必ず入るようにしましょう。
また、2015年6月には強風によって200枚の太陽光発電のパネルが吹き飛んでしまったトラブルもあります。
自然災害に関しては保険面でカバーすることになりますが、それでも周囲にも影響を及ぼしますし、怖いトラブルの一つです!
施工による近隣からのクレームトラブル
太陽光発電の施工はパネルを屋根に設置したり、屋内や外壁などにパワーコンディショナーの設置などによって騒音が発生する為、近隣からクレームが入ることがあります。
また、施工日当日はトラックなどが住宅前に駐車することになりますので、駐車スペースによるクレームもあります。
近隣からのクレームはそこに住む方にとって気まずいトラブルになります。
この点に関しては、施工業者が施工日に近隣への挨拶を徹底してくれるだけでほとんど場合トラブルにまで発展せずに済みますので、契約前に施工当日の業者の対応に関しても確認しておくとよいでしょう。
雑草による発電量低下トラブル
産業用太陽光発電の話しになりますが、遊休地に太陽光発電を設置したら、システム周囲の雑草が成長してパネルが影って発電に影響するトラブルも発生しています。
当初のシミュレーションではこの雑草に関する対策費用は視野に入っていなかったため、雑草の草刈り回数が増えて収支が悪くなるというトラブルも発生しています。
これは業者側に産業用太陽光発電システムに関する知識不足も原因になっています。
また、草刈りの回数が増えれば草刈中にケーブルを切断・バックシートを傷つけるなどのトラブルへと発展していきます。
その地域の特性などから、きちんと提案してくれる業者を選ぶことが大切になります。
足場を組まずに施工する太陽光発電業者は要注意
太陽光発電の設置はどんな施工法でも屋根への設置に関しては足場を組んでから行うのが通常です。
それはきちんと法律で決まってるんですね。
事業者は、高さ二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部を除く)で作業を行う場合において墜落により労働者に危険をおよぼすおそれのあるときは足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
労働安全衛生規則第518条
もちろんこの法律に関しても、施工業者は知っています。
太陽光発電の施工に関しては誰でも行えるわけではなくて、各メーカーが発行する施工IDを取得せずに施工してしまってもメーカー保障が受けられません。
ちなみに施工IDの取得は、15日間の研修期間が必要で費用は22万円程度になります。
このように法律で決まっている事に関しても、安さをウリにするような業者は施工費を少しでも削る為に、足場を組まずに施工する業者もいます。
だけどこれって消費者側からしたら安くなるんだからいいんじゃないの?って感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、よく考えてみて下さい。
足場を組む必要があるのは労働者保護のためです。
屋根の上は万が一のこともある危険な場所です。
そこで作業する労働者を守ろうとしない会社の精神には私は共感できませんし、施工会社にそのような所を使っている業者も私は信用しません。
現に太陽光発電においての一番のトラブルの原因は施工によるものです。
また、設置工事館をわざと長くし施工費を多めに請求してくる業者もいます。
設置してからトラブルになるより、トラブルのニオイがする業者とは付き合わない事が賢明ですね。
太陽光発電トラブルに巻き込まれないように優良業者に相談しましょう
- 施工店による手抜き工事
- 悪質業者による高額販売
- 発電シミュレーションの水増し
- 家の前に急に高い建物が建設されて屋根が影になる
- 自然災害
- 近隣からのクレーム
- 雑草トラブル
- 反射光
太陽光発電のトラブルについては回避可能なものから自然災害などの回避不可能なものまであります。
規制の強化などによってトラブルが減少傾向にあるとは言え、トラブルの可能性は頭に入れつつトラブルに巻き込まれないように行動していきましょう。
自然災害などのようなトラブルに関しては火災保険の適用でカバーし、信用できる業者に一任することで万が一トラブルが起きてしまっても迅速に対応してもらえます。
トラブルが起きても迅速に対応してくれる実績のある業者の選定がなによりも大切になるということですね。
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