太陽光発電を後付けでカーポートに設置する際のメリット・デメリット

最近では、自宅屋根をキズつけることなく太陽光発電が設置できるとして、カーポート(屋根と柱だけの簡単な車庫)に設置するケースが増えてきました。

カーポートへの太陽光発電の設置としては、既設カーポートの上に後付けで設置するパターンとソーラーカーポートと言われるカーポート専用の太陽光発電の大きく2つのパターンに分かれます。

カーポートへの太陽光発電の設置は見た目的にもすごくカッコいいですし、屋根を傷つけないので雨漏りの心配がないとメリットばかりがイメージされますが、カーポートへの太陽光発電設置について注意しておかなければいけない点(デメリット)があります。

太陽光発電を後付けでカーポートへ設置することを検討されている方は、設置前にきちんとデメリットも理解するようにしましょう。

カーポートへの太陽光発電の設置は飛来物・影・盗難のリスクが上昇する

カーポートへの太陽光発電の設置は屋根への設置と比較すると、盗難・飛来物・影のリスクが上昇します。

カーポートへの太陽光発電の設置ではどうしても、低い位置に太陽光発電を設置することになります。

例えば、カーポート前でボール遊びをしていた子供が誤ってシステムに不具合を起こすことも想定されるデメリットがあります。

また、新興住宅地などでは、これから新たに家が建っていくかと思いますが、お隣や向かいの建物が影になって発電量が低下するリスクもあります。

屋根への設置でも影へのリスクはありますが、そのリスクがカーポートへの設置の場合には大きくなります。

既設のカーポートに後付けで太陽光発電を設置する場合には、ソーラーパネルや銅線の盗難のリスクもあります。

飛来物・影・盗難リスクに関しては、盗難補償や自然災害補償への加入も一緒に検討するようにしましょう。

屋根への設置と比べるとカーポートへの設置は費用対効果が悪化する

リクシルソーラーカーポート価格表
LIXILソーラーカーポート価格表

カーポートに太陽光発電を設置する際には、追加の工事費が発生しますので、その分費用対効果は悪化するのはデメリットです。

既設カーポートに後付けで太陽光発電を設置する場合にはサポート柱を新たに設置するなどの補強が必要になることが多いです。

ソーラーパネルは1枚15kg~20kgになりますから、5kWのシステムをカーポートに設置するとなるとかかる重さは250kg~330kg程度にもなります。

《カーポートにかかる重さの計算例》
5,000W÷300W(1枚あたりのパネルの重さ)=16.6
16.6×15kg~20kg=249332

これに加えて、雪が積もったことも想定してカーポートを補強していきます。

補強の代金は通常のシステム費用に加えて25〜30万円程度が相場となっています。

ソーラーカーポートの場合には、新たにカーポートを設置する費用がかかることになります。

ソーラーカーポートは設置するメーカーによって価格差はありますが、リクシルのソーラーカーポートの場合には1kWあたりの価格が60万円程度にまでなってしまいます。(2024年における1kWあたりの価格相場は15万円程度)

このように既設カーポートへの設置には補強代として25~30万円、ソーラーカーポートの場合には倍近くの費用がかかることになり、屋根への設置と比較すると費用対効果は悪くなります。

カーポートへの太陽光発電設置でも補助金はもらえる

カーポートへの太陽光発電の設置でも補助金は個人向けと法人向けの2種類あります。

個人向けの方は住宅用(10kW以下)と同様の条件で自治体からもらえます。

法人向けは環境省が実施している「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」です。

「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」の対象者は環境省が事業の継続性が期待できると判断した事業者(法人)です。

補助率は対象経費の2分の1または3分の1で最大1億円です。

ソーラーカーポートは固定資産税の対象となることもある

ソーラーカーポート固定資産税計算例
300万円のソーラーカーポート費用であれば課税標準額はだいたい6割程度になる為、180万円
180万円×0.014=1,285円(固定資産税)

ソーラーカーポートとは、太陽光発電仕様で作られたカーポート(太陽光発電一体型)のことで一般的なカーポートよりも頑丈で強風や積雪に強い造りとなっているカーポートです。

ちなみに一般的なカーポート(ポリカ製屋根のカーポート)が耐風圧34m/s・耐積雪20cmなのに対してソーラーカーポートは耐風圧36m/s・耐積雪40cm以上耐えられる造りとなっています。

また蓄電池、電気自動車の為のV2Hスタンドも発電効率を落とすことなく導入することができます。

既設カーポートの上に後付けで太陽光発電を設置する場合には動産扱いになりますから、固定資産税の対象にはなりませんが、ソーラーカーポートの場合には固定資産税の対象となることがあります。

ソーラーカーポートが固定資産税の対象となるケースは以下の2点になります。

  • 地面に基礎が埋め込まれている場合
  • 三方向以上を壁で囲まれている場合

この場合のソーラーカーポートは、家屋(車庫)としての扱いになるため固定資産税の対象となります。

余計な出費は費用対効果が悪くなりますので、上記の2点に注意してソーラーカーポートを設置するようにしましょう。

ちなみに固定資産税と認定されてしまった際には、土地とカーポートの固定資産評価額に1.4%を乗じて算出します。

一応、ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法を掲載しておきますが、実際の固定資産税に関しては自治体の資産税担当部署で確認するようにしてください。

ソーラーカーポートの経済メリットシミュレーション

  • 発電容量:3.7〜7.3kW
  • 間口:5.2〜6.9m(2台分の間隔)
  • 奥行:4.5〜6.2m
  • 年間発電量:6600kWh
  • 売電単価:19円/kWh
  • 設置費用:170〜230万(税込)

年間経済メリットは約14万円ほどになります。

ソーラーカーポートは、角度や方角を最適にすることができるので、屋根に設置するよりも発電効率は良くなるというメリットがあります。

新たにカーポートの設置を考えてるなら断然ソーラーカーポートがおすすめ

これから新規でカーポートの設置を検討している方であれば、ソーラーカーポートにすることで経済的なメリットを受けることができます。

仮に50万円で通常のカーポートを購入しようと予定した方が、200万円でソーラーカーポートを購入した場合、売電の制度を活用すれば10年後には太陽光発電設備代の150万円は償却することが可能な場合が多く、実質無料で太陽光発電設備を手に入れることができるためです。

また、ソーラーカーポートと一緒に、今後普及する事が予想される電気自動車の充電コンセントの工事やV2Hスタンドの工事も検討することをおすすめします。

初期費用はかかってきますが、ソーラーカーポートの売電で賄えてしまうケースも多いので、これからカーポートの設置を検討している方であればソーラーカーポートを検討するようにしましょう。

カーポートへの設置は費用対効果とリスクを考えて設置検討しましょう

カーポートに後付けで太陽光発電を設置する時の注意点
  • 飛来物・影・盗難のリスクを考慮して保険、補償なども視野に入れる
  • カーポートの補強代・ソーラーカーポートの設置費用で費用対効果は悪化する
  • 固定資産税の対象物件を避けて設置する

太陽光発電は費用対効果やリスクのことを考えると屋根に設置することをおすすめしますが、それでもカーポートへの設置は見栄えがいいですし、設置角度を南向きの角度30度で設置(太陽光発電が一番発電する方位と角度)できるなどのメリットがあります。

ソーラーカーポトは費用対効果が屋根に設置する場合と比較すると悪くなりますが、それでも十分メリットのある商品です。

カーポートへの太陽光発電を扱っている業者が少ないのが現状ですが、必ず3社以上で比較するようにしてください。

カーポートへの太陽光発電設置はメリット、デメリットあります。

しっかり考慮して検討するようにしてください。

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