太陽光発電の仕組み(直列・並列回路)を図解を使って分かりやすく解説

太陽光発電は発電する仕組みは単純なのがメリットの一つですが、その仕組みは大きく二種類に分類されます。

直列回路と並列回路による発電です。

理科の授業なんかで直列、並列という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、その直列、並列です。

直列、並列のワードはどのメーカーのカタログにも出てくるので、その仕組みを理解しておきましょう。

太陽光発電全体の仕組みと共に直列・並列仕組みを図解を使って分かりやすく紹介しましたので参考にしていただければと思います。

太陽光発電の直列回路と並列回路の仕組み

直列回路&並列回路
直列回路・並列回路


太陽光発電についてのカタログを見ていると『直列』とか『回路』という文字がよく出てきます。

これは太陽電池モジュール(パネル)から生み出された電気をどのようにしてパワーコンディショナに送るかと言うことを表しています。

簡単に直列と並列をご説明しますと、直列とは電気の流れの上にそれを抵抗する物体があった時、その抵抗物体を1直線にまっすぐと接続する繋ぎ方です。

並列とは抵抗物体並べて接続する繋ぎ方です。

では、太陽光発電にいうところの直列と回路とはどのようなものになるのかというと下記の画像のようになります。

直列と回路
直列と回路イメージ図

太陽電池モジュールを何枚か直列で接続させて、その電気の群を何回路でパワーコンディショナに送るかという事です。

上の画像を元にすれば、4枚を一組で接続してその電気を4本の回路でパワーコンディショナに送ってやるということです。

パワーコンディショナによって最適に処理できる回路数というものが違うので、屋根の形や大きさに太陽電池モジュールの大きさを当てはめてみた時のシステムによってパワーコンディショナを選んで最も効率よく電気を作れるシステムで設置してあげるというイメージです。

下記の画像はシャープのパワーコンディショナの画像です。

シャープカタログ
パワーコンディショナカタログ

このようにパワーコンディショナごとに処理できる回路数は変わってきますので、ただ闇雲に一番発電するモジュールに一番変換効率の良いパワーコンディショナを設置すればいいというわけではないという事です。

ちなみに3回路まで処理できるパワーコンディショナには2回路のシステムを設置することも可能です。

どの接続の仕方が良いという話しではなく、屋根にあった接続方法を選ぶことが大切です。

また、屋根などの関係で必要なシステム構築の為の必要な太陽電池モジュールが屋根に設置できなかったときなどは昇圧回路付きの接続箱を使う事で解消できたりもします。

直列や回路の数については家にあったプランを業者が紹介してくれます。

その為にも実績のある信頼のおける業者にお願いする事が大切です。

昇圧回路付き接続箱を使えば屋根が小さくても太陽光発電は設置できる

太陽光発電接続箱
太陽光発電接続箱


まず接続箱とは、モジュール(パネル)で作った電気を一つに集めて、パワーコンディショナに送る箱のことです。

この接続箱に昇圧回路が付いているとはどうゆうことかといいますと、太陽光発電のシステムはモジュールで作った電気を数枚で一組として(直列)、それが何本あるかと言う回路で接続箱に送電しています。

この時、システムにないモジュールが屋根に設置できるケースがあります。

例えば、6直列3回路というシステムであればモジュールの枚数は18枚ですが、屋根の大きさ的にあと1枚設置できるスペースがある場合などに、昇圧回路付き接続箱を使えば、あと1枚をプラスして19枚でシステムを組む事ができます。

しかし、昇圧回路付き接続箱を使用すると若干発電ロスが生じます

昇圧回路付き接続箱をあまりおすすめしないワケ

このようにより多くの発電を臨む場合には、昇圧回路付き接続箱を検討してもよいですが、屋根が小さく各メーカーが定める必要最低枚数を設置できないからと言って昇圧回路付き接続箱を検討する際には注意が必要です。

現在の太陽光発電システムは、施工費や太陽電池以外の機器(パワーコンディショナやカラーモニタなど)の占める割合から、小さい発電システムより大きい発電システムの方がメリットが受けられるようになっています。

だから安易に、最低枚数に届かないから昇圧回路付き接続箱を使えばいいっていう考えはやめたほうがいいですね

私はお客様にも昇圧回路付き接続箱はおすすめしていませんでした。

営業マンが『昇圧回路付き接続箱』の話しをしだしたら要注意です!

やむをえず昇圧回路付き接続箱を検討する場合には、きちんとシミュレーションしてもらってください!

太陽光発電を構成する5つのシステムと仕組み【図解】

太陽光発電の仕組み図解
太陽光発電の仕組み図解

太陽光発電というと屋根の上にあるモジュール(パネル)にばかり目がいきがちですが、モジュールだけでは太陽光発電は作動しません。

太陽電池が太陽の光を受けて家で電気を自家消費し余った電気は電力会社に売る、その一連の仕組みの事を太陽光発電システムと言います。

太陽光発電システムを構成する装置一式を紹介します。

太陽電池モジュール(パネル)

住宅用であれば屋根の上にある黒っぽいパネルが太陽電池です。

モジュールの種類もさまざまありますが、日本の太陽光発電でよく使われる素材は大きく『シリコン系』『化合物系』の2つ分類することができます。

シェア的にはシリコン系が圧倒的に多いですが、シリコン系は大量生産に向いているという背景もあって現在普及しています。

ただ、最近は化合物系の太陽電池もシェアを伸ばしていてシリコン系と比べて少ない太陽光でも電気を作ることができるというメリットがあります。

どちらのほうが良いというわけではなく、設置する屋根環境によってシリコン系、化合物系の太陽電池を選ぶことをおすすめします。

パワーコンディショナ

エクソルの新型パワーコンディショナ『XL-PSME55L』
エクソルの新型パワーコンディショナ『XL-PSME55L』

モジュールで作られる電気は『直流電流』になりますので、これを家庭で使える『交流電流』に変換する変換機(インバータ)です。

また、太陽電池アレイからの電力が負荷を上回った場合は、余剰電力として商用電力の配線に逆潮流させます(売電)。

太陽光発電システムの縁の下の力持ち的な役割を担ってくれます。

また停電時などでは、パワーコンディショナを自立運転モードにすることでモジュールで発電した電気で生活することもできます。

『パワコン』と略して使われる事もあります。

接続箱

太陽光発電の接続箱
太陽光発電の接続箱

接続箱は、モジュールで作った電気(直流電流)を一つに集めて、パワーコンディショナに送る箱です。

直流開閉器、逆流防止機能(太陽電池アレイに電気を逆流させない機能)、誘導雷保護装置などが収納されています。

あまり目立つものではありませんが、太陽光発電システムでは欠かす事ができません。

大概のお宅では、建物の外壁に設置されています。

太陽光発電は狭い屋根や入り組んでいる屋根ではメーカーが定める最低システム数が確保できないことがありますが、昇圧回路付き接続箱を使用する事で、太陽光発電が設置できたりと優れた活躍をしてくれたりもします。

電力量計(売電メーター)

スマートメーター
スマートメーター

通常のご家庭であれば電気の使用メーターが外壁に取り付けられている事と思いますが、太陽光発電システムを設置すると新たにスマートメーターと言われる電子量計が取り付けられます。

見た目は現在設置されているメーターとほとんど一緒です。

この電力量計によって自動的に売電額が計算されて、その収入が口座に振り込まれます。

以前の太陽光発電では買電メーターと売電メーターの2つのメーターで電気の売り買いを管理していましたが、現在スマートメーター一つによって管理されています。

交換費用はかからず、スマートメーターは各電力会社の持ち物(資産)になります。

カラーモニタ

カラーモニタ
カラーモニタ

リアルタイムで現在どれだけの電気を消費しているか、どれだけ屋根の上で発電してくれているか、どれだけの電気の量が売れているかを映し出してくれるモニターです。

カラーモニタは必ずしも太陽光発電に必要なものではありませんが、カラーモニタがあるのとないのでは太陽光発電のメリットの出方が変わってきます。

このことから大概のお宅でカラーモニタも一緒に導入しています。

帰宅してからの楽しみが増えたとおっしゃってくれる方やお子さんのエコ意識向上にカラーモニタが役に立っている印象です。

また、リアルタイムで現在作られている電気の量、売られている電気の量を確認することができるので、家族の節電意識の向上にも一役買ってくれています。

太陽電池が発電する仕組み

太陽電池モジュールはシリコンなどの結晶で出来ています。

太陽電池発電の仕組み(N型、P型)

そのモジュールは、電子を余計にもった不純物が含まれたN(negative)型半導体と、電子の少ないホウ素などの不純物が入ったP(positive)型半導体を重ね合わせて出来ています。

太陽電池発電の仕組み(太陽照射)

この太陽電池モジュールに太陽の光が照射すると正孔(+)と電子(−)という原子になります。

太陽電池発電の仕組み(+と−)

正孔(+)はモジュールのP型半導体のほうへ、電子(−)はN型半導体のほうへ集まります。

その正孔(+)と電子(−)の原子の流れを直流電流と言います。

太陽電池発電の仕組み(パワコンに流れる)

それぞれ導線によってパワーコンディショナに送られて家で使える交流電流に変換して使ったり、使い切れなかったぶんを売ったりしてくれるというわけです。

このように、物質に光を照射することで起電力が発生する現象を光起電力効果と言います

P型とかN型とか、正孔とか電子とか聞き慣れない単語が出てきましたが、要するにモジュールに太陽の光が当たると2種類の電気の元が発生して、それぞれ集めてパワーコンディショナに送ってるということです。

最後だいぶはしょってしまいましたが、イメージを掴んでお子さんに発電の仕組みを教えてあげて下さい。

上記でもご説明したように太陽光発電は5つのシステムによって構成されています。

太陽光発電が発電してから各電力会社に電気が売れるまでをしっかりと理解すると、より太陽光発電を活かせます。

太陽光発電システムの仕組みというものを理解して、是非とも電気代0円を目指しましょう。

太陽光発電の仕組み(直列、並列回路)まとめ

太陽光発電のシステムを組むうえで大切になってくる直列と並列の考え方ですが、現在の太陽光パネルは小さくて発電量のあるものがでてきて、ほとんどの屋根で昇圧機能付き接続箱を使わなくてもシステムが組めるようになりました。

また、シャープや東芝に代表される違うパネルを一つのシステムで組むルーフィット設計の実績も増えて、以前にシミュレーションしてもらってメリットが出なかった住宅やメリットに物足りなさを感じていた住宅もメリットが感じられて設置されてきています。

台形パネルの性能も上がってきていますので寄棟屋根では台形パネルを使ってシステムを組むことを頭に入れてもよいでしょう。

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