太陽光発電を設置して後悔する理由ベスト10

私は約3年間(2011年〜2013年)東北地方にて太陽光発電の営業マンをしていたことで設置後のお客様のリアルな声を聞くことができました。

その中には設置して良かったという声と共に、後悔の声があったのも事実です。

太陽光発電は決して安くない商品ですので、設置後の後悔やトラブルがあってはいけません。

今回紹介する太陽光発電設置後の後悔については、私のお客様以外の声(来店されたけど購入されなかった方、同業者からの話しも含まれています)

これから太陽光発電を設置される方が後悔しないように、よくある後悔の声ということで4つのパートに分けて10個紹介します。

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価格・支払い方法に関する後悔

相場よりも高く購入してしまった

太陽光発電は建物への投資設備ですから、必ず設置する際の価格は適正価格でなければいけません。

ただ、太陽光発電においては訪問販売業者も多く存在することから相場よりも高い金額で購入してしまうという後悔の声がとても多かったです。

⇒ 太陽光発電の訪問販売トラブルが急増しているワケ

訪問販売とは、主に一般住宅へアポなしで一軒づつ営業マンが訪問して営業を行う人海戦術的な販促手法ですが、人件費が多くかかる為、販売商品は相場よりも高くなる傾向にあります。

相場よりも高く購入すれば当然ですが、設備投資を回収する年月は後退することになりますので費用対効果は悪化します。

ちなみに2024年における太陽光発電の価格は1kWあたり15万円程度になります。

また、メーカーによっても相場価格は変わりますので、各メーカーの最新相場の確認もしておくとよいでしょう。

分割でなく一括で支払えばよかった

太陽光発電は高価な商品ですから、一括の支払いよりも分割での支払いを選択される方が圧倒的に多かったです。

また太陽光発電にはソーラーローンと言われる太陽光発電専門の分割支払い制度もあり、金利や融資の緩さからも分割での支払いを選択されることは間違った選択ではありません。

ただ、資金に余裕のある方の声として、一括での支払いで金利分を節約しておけばよかったという後悔の声を多数聞きました。

ソーラーローンの金利は各金融機関によって変わってきますが、おおむね2%~3%程度が相場となっています。

最大の支払い期間は15年になりますので、200万円をソーラーローンで分割で支払った際には、最終的に支払う金利は486,007円にもなります。(利息3%、元利均等返済、ボーナス返済なしのケース)

一括での支払いであれば、この金利分を節約することができ、設備の回収期間は短くなりますので、圧倒的にメリットは大きくなります。

ただ、やはり高額な金額を一括で支払うのは勇気のいることですので、私は無理はせずにソーラーローンによる分割を選択することをおすすめしていました。

そして、資金に余裕が出来た時に多く支払うのが無理のない返済計画ですし(ソーラーローンは残債型の支払い方式)、その分支払い期間も短くなりますから金利分も削減することができます。

資金に余裕がある方は一括での支払いをおすすめしますが、無理はしなくてもメリットがあるのが今の太陽光発電です。

設置タイミング(時期)に関する後悔

もっと早く設置しておけばよかった

設置タイミングに関する後悔も多く聞かれました。

太陽光発電の設置タイミングで言えば、できるだけ早く設置すればそれだけ設備投資の回収年月は早くなります。

また、建物にも耐久性がありますから、あまりに築年数が経過している建物にはおすすめできません。

これは建物の耐震性の問題と屋根の強度の観点からになります。

一般的な太陽光発電システムはパネルと架台の重さで200kg~300kgにも及びます。

築年数が経過しているお宅にはかなりの負担となります。

また、太陽光発電における一番のトラブルは雨漏り事故になることから、屋根の老朽化も懸念しなければいけません。

私の場合には、築25年以上のお宅にはおすすめしませんでした。

太陽光発電の寿命は現在30年程度と言われていて、一度設置したらよほどの事がない限り取外しは行いません。

ですから築年数が経過している建物に関しては、新築から数えて50年後とかの事も考えて設置しなければいけません。

設置タイミングは早ければ早いほど建物にも経済的にも優しくなります。

太陽光発電を設置して早々に引っ越すことになってしまった

『今が買い時ですよ』などと訪問販売などで営業されて勢いで太陽光発電を設置してしまった方の中には、設置後に旦那さんの転勤などの理由から早々に引っ越すことになってしまったという後悔もありました。

太陽光発電は移設可能ではありますが、私は以下の理由からおすすめしていません。

  • 移設先ではメーカー保証が適用されない
  • 太陽光パネルを取りはずすことで屋根を傷める
  • 移設費用はが50万円~100万円かかる

移設するくらいだったら、太陽光発電が設置されている家という事で賃貸にあてることをおすすめします。

借主は電気代が安くなるので、他の物件と比較しても優位性を保てます。

なんにしても太陽光発電は一度設置したら何か不具合が生じない限り屋根に設置されたままになりますので、家族の人生設計も含めて設置するようにしましょう。

業者との契約タイミングを間違えた

太陽光発電売電確保の流れイメージ図
太陽光発電の売電価格を見計らって設置タイミングを検討されている方の中には、資源エネルギー庁への申請のタイミングを間違えて売電価格が下落してしまってから設置してしまうという後悔もあります。

その年の売電額確保の為には、期限までに業者にて契約、電力会社に売電契約申込みを行った後に資源エネルギー庁へ電力会社との接続同意書類と共に事業計画認定を申請する必要があります。

①太陽光(50kW 未満)の場合
新規/変更認定申請・事前/事後変更届出期限日:2019年1月11日(金)
注1)2018年12月1日以降、電力会社との接続同意書類は申請時に提出することが必須となります。また、2018年12月1日よりも前に申請した案件についても、電力会社との接続同意書類を期限日までに提出することが必要です。

注2)電子申請が原則ですが、万が一紙申請となる場合は、手続に時間を要しますので、上記期限日に関わらず、お早めに申請ください。なお、紙申請の持参は受け付けておりません。

2018年度中の認定申請等にかかる期限日について(お知らせ) | 資源エネルギー庁

また、各電力会社にも申込期限が設定されています。

資源エネルギー庁と管轄の電力会社の売電申請の申し込み期限はよく確認して、余裕を持って業者やメーカーの選定をするようにしましょう。

太陽光発電設置前の比較材料不足による後悔

業者の比較をしなかった

太陽光発電は数百万とする高額商品であるにも関わらず、太陽光発電を扱う業者に関して比較しないお宅が非常に多かったです。

業者ごとに設置後のアフターフォローの質、施工スキル、契約書類の不備の有無も変わってきます。

中でも施工スキルに関しては顕著で、一か月に数回しか工事を行わない業者と毎日のように工事を行う業者であれば、どちらが施工スキルが高いかは明白ですよね?

太陽光発電において施工トラブルが多いのを考えれば、業者の比較必須です。

ただ、上記でも紹介しましたが(相場よりも高く購入してしまったの欄)太陽光発電は訪問販売業者が多く、営業時に即決を求めて強引に契約させていることも業者の比較を行わなかった方々の特徴です。

太陽光発電の業者に関してはインターネットからの一括見積もりサービスがおすすめです。

無料で全国の実績のある業者から見積もりが取得できるので、使ってみるとよいでしょう。

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自宅屋根に最適なメーカーを設置しなかった

よくある後悔の一つに、メーカー比較を行わずに近所のお宅で評判が良いという理由から、自宅にもそのメーカーを設置してしまうというメーカー選定の甘さによる後悔があります。

一見近所で評判が良いメーカーを選ぶことは間違った選択ではなさそうですが、一軒一軒屋根の形、大きさ、電気を使う量が変わりますので、必ずしもお隣でメリットが出たからと言って自宅でもメリットが受けられるとは限りません。

現在、太陽光発電のメーカーは国内メーカーだけでも10以上、海外メーカーも含めると20以上もの数があります。

それぞれの特徴をよく理解し、是非とも自宅環境で最適なメーカーを選んだいただければと思います。

ちなみに、お隣で太陽光発電の評判が良いのならアナタの環境でもメリットが受けられる可能性は大いにあります。

できればより多くのメーカーを扱っている業者でいくつかの発電シミュレーションを作ってもらうことをおすすめします。

なお、太陽光発電・蓄電池のシミュレーションには国際航業株式会社の『エネがえる』がおすすめですので、使ってみてください。

(参考)太陽光・蓄電池シミュレーションの決定版「エネがえる」

発電量に関する後悔

冬場の雪が想像以上に多く全然発電してくれない

北海道や東北地方などの雪が多い地域では、冬場の発電量が設置前のシミュレーションよりも低かったと後悔される方がいらっしゃいました。

太陽光発電は雪が乗っかってしまうと発電量はストップしてしまいます。

その為、豪雪地帯では一年間のうち20日ほどは発電が期待できない日があることも考えなければいけません。

ただ、太陽光発電は一年間単位で発電パフォーマンスを見て、雪の影響のある北海道、東北地方では冬場の発電量は関東地方に劣りますが、夏場の発電量に関しては関東地方よりも勝ります。

これは太陽電池が熱に弱い性質があるためです。

ちなみに同じシステムを設置しても札幌(5,730kwh)と東京(5,638kwh)では札幌の方が発電量は勝ります。
データ参照:パナソニック4.94システム設置の場合のシミュレーション

また豪雪地帯では、屋根に雪下ろし専用の落雪システムを設置することで冬場の発電量を確保するという方法もあります。

私は東北地方で太陽光発電の営業を行っていましたが、雪の影響がある地域でも十分にメリットは出ていました。

ただ、地域によってはメリットがでない地域もありますので、設置前に雪の影響は心配ないか、近所で太陽光発電を設置しているお宅があったら聞いておくとよいでしょう。

屋根いっぱいに設置すればよかった

最初、お客様は太陽光発電の性能に関して半信半疑ですので、設置するシステム数を少なく設置する方がいらっしゃいましたが、結果的にこのようなお客様の8割は後々増設して屋根いっぱいに設置されて最初から屋根いっぱいに設置しておけばよかったと後悔されていました。

太陽光発電は高額商品ではありますが、他の高額商品との違いとして自らも発電して稼いでくれる点にあります。

建物環境にもよりますが、設備にかかる費用を発電した売電によって賄えてしまうお宅も少なくありませんでした。

どうゆう事かと言えば、例えば200万円の太陽光発電15年のソーラーローンで設置したら(利息3%、元利均等返済、ボーナス返済なし)一か月に支払う金額は13,811円になります。

これを太陽光発電の売電収入で支払えてしまうお宅があるということです。

また、この仕組みを理解することができれば一括での支払いがさらにメリットが大きいことを理解することができるでしょう。
(200万円÷180回支払い=11,111円でさらに費用対効果は増します)

家の前に大きな建物が建設されて発電量が低下してしまった

開発中の土地にある建物に多かった後悔が、太陽光発電設置後に家の前に大きなマンションや施設が建設されてしまって屋根が陰って発電量が当初よりも低下してしまったという声です。

現在お住いのお宅が都市開発計画地区であれば、今後の都市計画も視野に入れて太陽光発電の設置を検討するようにしましょう。

都市計画に関しては、各自治体で無料で開放しているので管轄の市役所の都市整備部へ問い合わせてみるようにしましょう。

なお、万が一自宅前に大きな建物が建設されてしまって当初よりも発電量が低下してしまったら、日照権によって影によって設備が損害を受けた分は補償が受けられる可能性はあります。

ただ、今後の損失利益までは補償されない可能性は高いので注意が必要です。

太陽光発電の後悔まとめ

太陽光発電を設置した後の後悔事例として10個紹介しましたが、この中でも特に『業者の比較をしなかった』という後悔の声が一番多く聞かれました。

太陽光発電を扱う業者は数多くあり、比較するのも大変ではありますが今はインターネットを使った業者の選定が主流になりつつあります。

手間なく地域の優良業者を探すことができるので、毎年利用者も増えていますね。

今回の後悔事例を参考に太陽光発電の設置を検討していただければと思います。

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