太陽光発電を屋根以外に設置する場所

設置場所が狭くてもメリットがでる家はある

モジュール最低枚数


住宅用太陽光発電は通常の場合、設置場所はおおむね屋根に太陽電池モジュールを設置します。

なので屋根の面積がキモだということになります。

そして、どれくらいの屋根面積があればメリットが出るかと言えば、これは各メーカーが定める最低モジュール(パネル)枚数が乗る面積が必要だということになります。

また、各メーカーには保証が付与されていますが、このメーカー保証を受ける為にはメーカーが定める施工基準を満たす必要があります。

例えば、屋根からモジュールがはみ出るような(シャープではパネルと軒先の距離を30cm以上開けなければいけない)施工は、どのメーカーでも保証対象外になってしまいます。

悪質な販売業者では狭い屋根にモジュールがはみ出るような提案をしてきますので注意が必要です。

『あと一枚どうしても乗せられないぃ〜』
という場合には、少々メリットは少なくなってしまいますが、昇圧回路付き接続箱を使う事でシステムが組める事があります。

自分の家の屋根は狭いから、と諦めずにまずは販売業者に相談してみましょう。

庭やカーポートにも太陽光発電は設置できる

狭い屋根で最低枚数の太陽電池モジュール(パネル)が載せられないお宅であれば、庭やカーポートにも太陽光発電は設置できます。

※庭やカーポートへの設置は、通常の屋根への設置とは異なる施工になるので、扱っていない業者もありますので確認は必要になります。

ただ庭やカーポートへの設置を検討するのであれば考えなければいけないのは、屋根に比べて人が触れる位置に設置することになるので、盗難のリスクや飛来物による故障のリスクは高まります

反対に庭やカーポートへの設置のメリットとしては、メンテナンスが容易であったり雨漏りリスクがない、システムの調整が容易などがあります。

狭い屋根で最低枚数のパネルが載らないのであればメリット、デメリットを確認してもらって庭やカーポートへの設置も検討されてもよいでしょう。

では、画像付きで屋根以外に太陽光発電を設置場所を紹介していきますね。

カーポート

カーポートへの太陽光発電


最近、太陽光発電をカーポートに設置する方が増えてきました。

カーポートの上に太陽光発電を設置するケースと、カーポート自体を太陽光発電にするケースがあります。

カーポートへの設置は、現在太陽光発電を屋根に設置しているけどシステムの増強でカーポートに設置する方や、屋根を傷つけたくないからカーポートに設置する方がいらっしゃいます。

カーポート自体がある程度大きいことや設備の強度がしっかりしていることなどの注意点がありますが、これからの電気自動車の流行やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に移行する方が増えてきたことで徐々にカーポートへ太陽光発電を設置する方増えています。

スペースを有効に使うという意味でカーポートへの設置はとても理にかなっていますが、ただ屋根よりも低い位置に太陽光パネルが設置されることになるので、飛来物などのリスクは考えなければいけません。

カーポートへの設置と一緒に自然災害補償なども検討したほうがいいでしょう。

倉庫の屋根

倉庫に太陽光発電を設置ケース


屋根は屋根でも自宅の屋根ではなく、倉庫の屋根に太陽光発電を設置することも可能です。

倉庫の屋根に太陽光発電を設置する場合には、倉庫の屋根から自宅へ電気を流すことになるので、少々施工費が高くなることがあります。

また、倉庫の屋根と住宅の屋根では作りが違う場合があります。

垂木と言われる屋根を支える支柱が入っていることや、倉庫の築年数からの強度の問題もあります。

太陽光発電の設置前には必ず現地調査と言われる、実際に作業員が屋根に上って寸法を測ったり屋根の強度を目視で確認をします。

不安なことがあれば、作業員に申し出て、設置後の不安をなくすようにしましょう。

庭や畑などの遊休地

遊休地に太陽光発電を設置ケース


庭や畑などにまとまったスペースがある方であれば、そういった遊休地に太陽光発電を設置することが可能です。

最近では、農作業よりも太陽光発電のほうが手間もなく収益になるという事で畑で使っている土地を整備して太陽光発電を設置する方が増えていますね。

私のおばあちゃんの隣の畑も太陽光発電の設備に変わっていました。

特に農作業で使っていた土地だと日当たりが良い場合も多く、太陽光発電を設置するのに適している場合が多々あります。

自宅の庭が広いお宅であれば太陽光発電の設置も可能ですが、お子さんがいらっしゃるお宅であれば配線などにひっかかってお子さんがケガをしたり、システムに不具合が生じるリスクも生じてきます。

事故が一番怖いので、庭への設置は慎重に行ってください。

外壁

外壁に太陽光発電を設置するケース


太陽光発電の変わった設置場所としては、住宅や倉庫などの外壁に太陽光発電を設置するという方法もあります。

外壁に太陽光発電を設置するのは主に、学校や市役所などが多く、屋上がなんらかの施設で既に使用しているから外壁に設置するというパターンが多いですね。

私は一般住宅で外壁に太陽光発電が設置してお宅は見たことがありません。

また、外壁に設置できる太陽光パネルは限られていて、性能も通常のものと比べるかなり劣ります。

また、施工費などが高くつくことが考えれらるので、コストパフォーマンスで見ると、一般住宅にはおすすめできない設置場所です。

屋根以外に太陽光発電を設置する場合にはリスクも大きくなる

屋根以外に太陽光発電を設置する場合には、太陽光発電が低く設置されるケースが多くあります。

屋根への設置であれば通常の場合、人が屋根に登るという事は考えられませんので、リスクはほとんどありませんが、低い位置で人の手が届く範囲に設置すれば盗難のリスクが増しますし、強風時などには看板が飛んでくるなどの飛来物のリスクもあります。

屋根以外に太陽光発電を設置する場合には、くれぐれもリスクも考慮して設置するようにしてください。

局面屋根への設置は注意が必要

局面屋根
局面屋根とは、屋根面が湾曲している屋根になります。

一般的な屋根とは違い、太陽光発電を設置した時にパネルと屋根の間に隙間が出来てしまうので、風の吹き上げなどによるパネルが吹き飛ばされるリスクが生じます。

そのような兼ね合いから、保証が付与されるメーカーも限られます。

曲面屋根に一般的な施工を施す際には、強風によるリスクも加味して自然災害補償への加入、もしくは自然災害補償を付与してくれる業者をおすすめします。

下屋根への太陽光発電の設置は慎重に!

太陽光発電の下屋根への設置は注意しましょう


現在の日本の屋根はオシャレなものが多く、主流は寄せ棟タイプの屋根になります。

オシャレな屋根に惹かれる気持ちは分かりますが、残念ながら太陽光発電の設置という観点で言うとあまり適しているとは言えません。

太陽光発電というのは一枚とか二枚とかの少量の太陽電池モジュール(パネル)では効率的なメリットというのは期待できず、各メーカーが定めた最低枚数の太陽電池モジュールの設置が必要になります。

そこで狭い屋根に各メーカーが定めた最低モジュールを設置しようとした時に、どうしても最低枚数が設置できない屋根というのが出てきます。

そこで屋根の一階部分の屋根である下屋根に太陽電池モジュールの設置を検討する事を販売業者から提案される事もあるかと思いますが、太陽光発電を下屋根に設置する事を安易には決めないでください。

下屋根への設置注意点

私の意見を先に言わせていただくと、下屋根への設置はあまりおすすめできないというものになります。

その理由としては以下の点があります。

  • 影になりやすい
  • 氷などの落下物のリスクがある
  • 飛来物のリスクがある

一つづつ説明していきますね。

影になりやすい

下屋根はどうしても家の影になりやすく、朝や夕方などの日差しが弱い時間帯には効率良く発電できません。

一日単位で言ったら大したことはなくても、太陽光発電の寿命は30年以上と言われているので、そのような長期間で見るとかなりのロスになります。

氷などの落下物のリスクがある

これは特に東北地方などの雪国に言える事ですが、屋根の上に雪が積もってそれが固まって氷となり、次の日の太陽で溶かされて下屋根に落ちると言う現象ですが、これによってモジュールの破損のリスクがあります。

モジュールは強化ガラスでコーティングされているのでちょっとやそっとじゃ破損しませんが、それでもまとまった氷の塊が勢い良く落ちてきたらどうなるか分かりません。

ちなみに私は東北地方で太陽光発電の営業をしていたこともあって、氷の落下に対するリスクを考えてお客様に下屋根への設置をおすすめしたことはありません。

飛来物のリスクがある

下屋根への太陽光パネルの設置は、倒壊 ・強風による飛来物のリスクがあります。

子供がいらっしゃるお宅であれば、子供のいらずらもきちんと考慮しなければいけません!

もちろん全てのお宅で下屋根への設置を否定しているわけではありません。

関東地方などではそんなに雪も降らず積もりませんし、影の影響も下屋根が付いている箇所によってはほとんど影響を受けないかもしれません。

ただ、この事はよく考えておいてほしいのですが、営業マンは太陽光発電を一枚でも多く売りたい、ということです。

それは当たり前の話しで、太陽光発電の売上げが営業マンの成績となるからです。

安易に販売業者が『下屋根』のワードを出してきた時には注意が必要ですね。

太陽光発電が設置できない屋根もある

太陽光発電が設置できない屋根例
  • パミール屋根
  • 3寸~10寸以外の屋根
  • 垂木・野地板がない屋根
  • 銅板葺き屋根

新築であれば太陽光発電を想定して作るので問題ありますが、既築の場合には注意が必要です。

目利きのできない業者にあたってしまえば、設置できない屋根に太陽光発電を設置しても早々に屋根のリフォーム(葺き替え工事)が必要となってしまいます。

また、北側の屋根にも平気で太陽光発電を設置しようとする業者もいますが、発電効率的に見るとおすすめしません。

自宅の屋根の環境が太陽光発電に適している屋根なのか、まずは確認が必要になります。

3階建て住宅に太陽光発電を設置する時の注意点

3階建て住宅にも太陽光発電は設置できますが、一般的な2階建て住宅と比較すると屋根が狭い建物が多い為、メリットの出方はシビアに行うようにしましょう。

また、足場代は足場かけ面積に比例して高くなりますので、少々高くなります。

ただ、3階建て住宅は他の建物よりも高いので屋根へ影がかかることも少なく、発電ロスも少ないというメリットもあります。

最近のパネルは小さく発電量も多くなっていますので、一昔前にシミュレーションしてもらってメリットの出なかった建物でもメリットは出てきています。

透明太陽光発電が普及したらあらゆるところで発電が可能になる

アメリカの企業SolarWindow Technologies, Incが窓ガラスにも使える透明な太陽光発電の試作品を発表しました。

この透明太陽光発電、凄いのは透明なだけじゃなくて性能にあります!

なんと発電量は従来の太陽光発電と比べて50倍になるというから驚きです!!!!

しかも、作りがシンプルなため、量産にもそれほどコストがかかりません。

実用化にはもう少し時間が必要ですが近い将来、私達の住宅窓にも透明太陽光発電が登場するかもしれませんね。

電気自動車や壁紙にも使えるオシャレな太陽光発電、そして今回の透明太陽光発電と今までの高価な太陽光発電から徐々に私達の生活で使える太陽光発電へとシフトしてきているように感じます。

国土交通省の調べによると2014年度に注文住宅を建てた方は4割を越えて太陽光発電を設置したようです。

2014年度の注文住宅に4太陽光発電を設置したお宅が4割を越える

太陽光発電というものが私達一般レベルにまで浸透してきた事を表すデータですね。

この流れは更に高まる事が予想されますし、新築のお宅だけでなく既築住宅にもこれからは太陽光発電はどんどん普及していくでしょう。

太陽光発電を導入するかどうかという議論から、どの太陽光発電を導入するかと言う議論に変わりそうな、太陽光発電が私達の生活に当たり前のモノになりつつある予兆が伺えます。

屋根以外に太陽光発電を設置する場所まとめ

太陽光発電も年々、性能も上がりよりコンパクトに薄くなることで、屋根以外に設置する方も増えてきました。

また、最近の不動産価格の高騰などの影響もあって投資家が太陽光発電投資に移行してくることで遊休地へ太陽光発電が設置されています。

ただ、やっぱり住宅用では自宅の屋根に太陽光発電を設置することが一番安全であり発電環境としても優れていると言えるでしょう。

屋根を傷つけたくない方であれば、屋根に穴を空けないシンプル・レイ工法などもありますので、そちらも検討するとよいでしょう。

屋根以外に太陽光発電を設置する場合には、コストパフォーマンスの観点やリスクなども考慮して検討することをおすすめします。

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