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全ての屋根に太陽光発電が設置できるわけではない
最近は新築住宅の4割に太陽光発電が設置されるなど、日本でも太陽光発電というものがだいぶ普及してきました。
そんな社会的な風潮からわが家も太陽光発電検討してみようかな?という方も増えてらっしゃいますが、その前に一つ確認しておきましょう。
あなたの家は太陽光発電が設置できるお宅ですか?
残念ながらどんな家にも太陽光発電が設置できるわけではありません。
取らぬ狸の皮算用にならないように、検討する前に自分の家を確認しておきましょう。
屋根の構造
太陽光発電システムの施工にあたっては、太陽電池モジュールを搭載する屋根の構造を知っておく必要があります。
日本の伝統的な木造住宅の構造で説明すると、屋根荷重を支える『小屋組』とその荷重を基礎に伝える『軸組』があります。
設置される太陽電池モジュールの荷重も小屋組から軸組、そして基礎へと荷重が伝えられます。
太陽電池モジュールを設置する場所である屋根材の下部は、垂木(たるき)の上に野地板(のじいた)があり、さらにその上に防水のために設けられているルーフィングがあります。
一般的には、野地板または垂木に金具を固定し、その金具に太陽電池モジュールを固定することになります。
太陽電池モジュールが強風などに耐えられるように、野地板の種類や板厚、垂木の断面寸法などに条件が付いています。
設置する際の制約条件は各メーカーによって異なりますので、設置する前に十分にチェックするようにしましょう。
垂木、野地板がない屋根
太陽電池モジュール(パネル)の設置は屋根の垂木か野地板に金具を取り付ける垂木固定方式(アンカー工法)が一般的です。
垂木固定方式の長所としては、少ないネジの本数で架台を強化する事が出来る点です。
短所は、垂木がある場所しか架台を設置できないので、設置できるモジュールの枚数が限られてしまいます。
従って垂木、野地板がない屋根には太陽光発電は設置できません。
人が住む住宅には垂木、野地板がない屋根というのは滅多にありませんが、倉庫などに設置を考えれている方は注意が必要ですね。
屋根が小さい、または入り組んでいる
主に都心部にお住まいの方は、家が縦に長い事が多く屋根が小さいお宅が多いです。
太陽光発電はある一定枚数以上のモジュールを設置をしないとシステムが組めないという性質があります。
あまりに屋根面積が小さいお宅、または屋根が入り組んでいるお宅には太陽光発電は設置できません。
《例》
メーカー | 最低システム数値 |
京セラ | 3.046kW |
パナソニック | 2.44kW |
東芝 | 2.0kW |
築年数25年以上の物件
これに関しては決まりはありませんが、私がお客さまとお話させてもらう時の一つの目安としていたものが築年数でした。
築年数が25年以上のものになると当然ですが、家も屋根も劣化しています。
太陽光発電は屋根に穴を開けて設置するので、屋根の劣化が雨漏りの原因にもなりかねません。
25年以上経っていてもリーフォームなどが済んでいるお宅であれば問題ありませんが、そうじゃない場合は屋根周りの回収から検討することをおすすめしていました。
海に近い物件
メーカーによって規定は違いますが、沿岸から一定距離離れていないと太陽光発電は設置できません。
《沿岸設置不可メーカー例》
メーカー | 沿岸設置可能条件 |
三菱 | 海水が飛んでこない場所、沿岸から300m以上離れた場所 |
東芝 | 沿岸から300m以上離れた場所 |
シャープ | 沿岸から500m以上離れた場所 |
沿岸地方にお住まいのお宅であれば、塩害対策済の部材を使う業者さんや太陽電池を両面ガラスで補強して浸食防止に努めているのかなどの確認が必要になります。
太陽光発電の設置に関しては、設置前に必ず現地調査と呼ばれる、施工業者が屋根に直接登って屋根のサイズや劣化状態などを見ます。
我が家で太陽光発電って設置できるのかな?と悩んでいる方がいたら、パッパと現地調査だけでもお願いしてしまって、設置できるかどうか聞いちゃったほうが早いです。
見積もりも無料で作ってくれるところがほとんどですが、現地調査に関しても無料で行ってくれます。
悩むのはそれからにしましょう。
銅板葺き屋根には設置できません
瓦屋根、トタン屋根には太陽光発電を設置する事はできますが、残念ながら銅板葺き屋根に太陽光発電を設置する事はできません。
銅板と架台が電蝕(でんしょく)という電気化学反応を起こしてしまい設置面がサビる現象を起こしてしまう為です。
サビが屋根を劣化させてしまい、雨漏りの原因となってしまいます。
また銅板葺き屋根はビス穴が広がる恐れもあります。
それらの理由から、メーカー保証も付与されることはありません。
残念ですが、銅板葺き屋根に太陽光発電を設置することはできません。
パミール屋根
1996年から2008年まで販売された屋根材で、ニチハ株式会社が製造販売していたスレート系屋根材パミールにも太陽光発電は設置できません。
パミールは、表面がザラザラした材質でノンアスベストで作られた屋根材の第一号ということで一気に普及した背景がありますが、その後、表面がめくれあがってくる、釘の腐食などが目立つようになり屋根のリフォームでも特に問題のある屋根になってしまいました。
正確には設置自体はできますが、パミールは太陽光や雨、風などによる劣化スピードが早く、太陽光発電を設置してもすぐに屋根のリフォーム(葺き替え工事)が必要となってしまいます。
当然、太陽光発電をこのような劣化の早い屋根に設置するのは危険極まりないので、設置しないことをおすすめします。
屋根勾配3寸~10寸以外の屋根
屋根勾配が11寸以上の、いわゆる急勾配と言われる屋根にも太陽光発電は設置することはできません。
ほぼ全てのメーカーで、3寸~10寸(16.5度~45度)がメーカー保証規定となっています。
ただ、最近では東芝なんかが0.5寸からでも対応してくれるなど、だいぶ勾配に関しての規定は緩くなってきていますが、依然として急勾配に関しては厳しい状況です。
ちなみに、太陽光発電にとって最適な勾配は6寸勾配(30度)だと言われています。
設置はできるけど北側の屋根にはおすすめしない
これはどこのメーカーのカタログでも記載されている事ですが、一日を通した日射量の多さから南側が一番発電し、それを100%とすると東側85%、西側85%、北側は65%となります。
北側は発電効率の観点から設置はおすすめしません。
また、どこのお宅も真南の方角を指しているわけではありません。
若干、東側を向いていたり、西側を向いていたりしています。
その場合、切る妻屋根の場合でしたら設置する面は1面で真南に比べて発電効率も落ちますので、その分を差し引いたシミュレーションが必要になります。
寄せ棟屋根の場合でしたら、設置する面は2面になります。
もしも、屋根が東側を向いていたら、設置するのは南側と東側ということになります。
※家が東、西どちらにどの角度向いているによって決めますので、若干の角度程度でしたら3方向に設置します。
ちなみに屋根の傾斜角度は30°が最適だと言われています。
また、設置する方角によっては反射光による近隣住宅とのトラブルも発生します。
設置する方角に関しては業者としっかりと相談してきめましょう。
太陽光発電が設置できない屋根まとめ
太陽光発電が流行りだした頃に本来であればメーカー保証が付与されない屋根にも、太陽光発電を設置してしまう業者が大勢出て社会問題となりました。
設置できない屋根には、理由があるわけで、例えばパミール屋根に太陽光発電を設置すれば7~8年で屋根がめくりあがってきます。
しかし、それまで不具合がないから分からないんですね。
そして、業者は計画的に倒産していてもぬけの殻でどこにも問い合わせできないという最悪なケースになります。
現在では、このような悪質な業者はかなり減りましたが、残念ながら存在しています。
太陽光発電の業者選びには実績のある所を選ぶことがトラブルを未然に防ぐ一番の方法です。
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