

メリット | デメリット | |
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単結晶 |
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多結晶 |
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CIS |
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現在、日本で普及している太陽光発電の種類はシリコン(単結晶・多結晶)系と化合物(CIS)系の2種類に分類されます。
太陽光発電の価格が高額だった2009年頃までは安価な多結晶タイプが主流でしたが、価格が落ち着いてきた現在では単結晶タイプが主流となっています。
ただ、一概に単結晶タイプが全ての住宅に適しているとも言えませんので、それぞれのパネルの特徴をご紹介しますので、パネル選びの参考にしていただければと思います。
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太陽光発電のキモと言ってもいいのが、太陽電池モジュール(パネル)ですよね。
屋根の上に乗る一番目立つ部分でもあります。
この太陽電池パネルですが、メーカーによってサイズや発電量、重さや特徴まで変わってきます。
そしてその違いの一つにパネルの色があります。
パネルの色は大きく分けて、黒色と青色があります。
太陽電池パネルはシリコンの結晶で構成されていて、黒色のほうは、単結晶(たんけっしょう)と言い、シリコンの並びが整っていて不純物も限りなく除去されているで発電効率の優れた太陽電池になります。
青色のほうは、多結晶(たけっしょう)と言い、シリコンの並びが不規則で単結晶太陽電池に比べて発電効率は落ちます。
少々古いデータになりますが、日本の太陽電池の生産量は、2009年には1508MW(メガワット)が生産され、そのうち96%がこのシリコン系の太陽電池で、残りの4%が化合物系の太陽電池になります。
シリコン系の太陽電池は少し前までは、多結晶タイプの太陽電池が主流でしたが、現在では発電量の多い単結晶タイプが主流になっています。
ちなみに太陽光発電と似ている商品に太陽熱温水器がありますが、全く別物になります。
太陽熱温水器は、太陽の熱でお湯を沸かす省エネ商品になります。
原子が規則正しく並んでいる物質の事を単結晶と言います。
単結晶シリコンは電子部品などにも使われ、シリコンの純度は99.9999999&と9が11個も並ぶ『イレブンナイン』と呼ばれるほどの純度になります。
単結晶シリコンは引き上げ法(CZ法)や浮遊帯溶融法(FZ法)を用いて、高純度の多結晶シリコンを溶かしてインゴットを作製します。
そのインゴットを数100μm(ミクロン)の厚さに切断して、単結晶シリコンウェハーが得られます。
単結晶シリコンウェハーに、ホウ素やリンを混ぜて、p型、n型半導体を作り、それを組み合わせて電極などをつけて太陽電池が完成します。
単結晶とは違い多結晶シリコンは製造が容易で比較的安価で製造できます。
結晶方向がバラバラになっているため表面はまだら模様になっています。
結晶方向が揃っていないので変換効率は少し落ちるものの変換効率は10%以上と高く、大量生産に向いています。
(変換効率の計算方法に関してはこちらのページをご覧ください)
単結晶と同じく多結晶シリコンも硬くて、板状のウェハーを使います。
ウェハーからpin接合を形成しモジュール化する工程も単結晶シリコンと同じです。
少し前までは、ウェハーの厚さは200μm程度のものが多かったですが、最近は技術が進歩し、多結晶も100μmまで薄くできるようになっています。
薄膜での太陽光発電やアモルファスシリコンなどと呼ばれて普及しています。
現在、広く一般的な太陽電池はシリコンによって構成されたものになりますが、その他に化合物を用いたCIS太陽電池もあります。
CIS太陽電池は銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)から構成された太陽電池モジュールのことです。
CIS太陽電池は大量製造が難しいため、製造販売がシリコン系太陽電池より遅れていましたが、現在全世界中で年に1GW程度も生産されるまでになっています。
とりわけ日本ではCIS太陽電池の製造が盛んです。
まだまだCIS太陽電池は日本でのシェアはそんなに多くはありませんが、日本で唯一CIS太陽電池を提供するソーラーフロンティアの親会社は昭和シェルであり、2014年4月には変換効率世界最大の20.9%を記録する太陽電池の生産に成功しました。
単結晶太陽電池よりも、電極による模様が目立たなくて、さらに真っ黒なパネルと言ったイメージです。
CIS太陽電池の特徴としては以下の3点です。
シリコン系の太陽電池の弱点を補うような特徴になっています。
一つづつ見てみましょう。
太陽光発電にとって温度というものが一つのキーワードになります。
一般的な太陽電池はシリコンの結晶で構成されていて、高温になると発電ロスが生じると言うデメリットがあります。
シリコン系太陽電池は1度温度が上昇すると0.5%程度発電ロスが起きると言われています。
しかし、CIS太陽電池は高温になっても発電ロスを抑えられる性質を持っています。
真夏なんかの日にはモジュールの温度は80度近くにまで上昇します。
この時の発電ロスを結晶系太陽電池と比べると、CIS太陽電池のほうが5%発電ロスを抑えられます。
夏場なんかはほぼ毎日この80度に達していますから、一日単位で見るとたいした発電量に違いはないかもしれませんが、数年単位で見ると大きな発電量の違いになりますね。
太陽光発電システムはモジュールを何枚かで一組という形で電気を作るようにしています。
この何枚かで一組の呼び方を4直列4回路(モジュール4枚を4組という意味)とか、3直列5回路(モジュール3枚を5組という意味)とか言います。
そして太陽光発電システムはモジュールを何枚かで一組という形で電気を作るようにしています。
ただこのような構成にしていても、通常の結晶系モジュールは、モジュールの一部に影などができるとシステム全てに影響して発電量が大きく低下してしまいました。
なので東北地方の雪の影響や、周辺環境に発電パフォーマンスが大きく左右されていましたが、CISモジュールは、一部の影によって出力は低下するものの出力の低下は影の部分だけになります。
これは影だけでなく、モジュールの上に雪が乗っかった場合などにも有効です。
太陽電池モジュールの寿命はおよそ30年程度だといわれるように、長年使用すればモジュールの最大出力も低下とともに太陽電池自体が劣化していきます。
5年間の劣化率で言うと、シリコン系(単結晶)で3.2〜3.9%程度の劣化に対して、CISモジュールは1.5%程度の劣化率に収まります。
現在のモデルの太陽光発電はだいたい30年程度だと言われていますから、例え30年経過後も太陽電池の劣化割合が少ないのでCISモジュールは十分に発電する代物という事が言えます。
太陽電池モジュールの寿命は30年程度だと言われていますが、いきなり発電が停止して使えなくなるわけではありません。
徐々に発電力が低下して劣化していきます。
その劣化の割合は以下になります。
モジュールの材質 | モジュールのデザイン | 経年劣化割合(年) |
---|---|---|
単結晶 | ![]() |
0.7%程度 |
多結晶 | ![]() |
0.5%程度 |
CIS | ![]() |
0.3%程度 |
CISモジュールが一番劣化しにくいと言われています。
ただCISモジュールは原料にレアメタルを多く使っているので、製造コストが高くなる傾向にあります。
なお、パネルの劣化具合に関しては別ページでさらに詳しくまとめましたので、そちらのページをご覧ください。
一口に太陽光発電パネルと言っても、太陽光発電パネルは単位によってその呼び名が変わります。
太陽光発電パネルの呼び名は大きく3種類あります。
まず太陽光発電パネルにおいて一番小さな単位としてセルというものがあります。
セルはシリコンの結晶のかたまりを電極で付けたものになります。
そして、セルと強化ガラス・樹脂・アルミ枠・で一枚のパネルにしたものをモジュールと言います。
このモジュールを各メーカーで定められている最低枚数で架台などによってパッケージ化されたシステムのことをアレイと呼びます。
なぜ、このように細かくパネルが構成されているかと言いますと、影や落下物(落ち葉や雪など)などによって太陽電池に光が届かなくなってしまった時にシステム全体への影響を最小限に抑える為です。
年間を通して太陽光パネルに落下物があり続ける事は考えにくいですが、それでも太陽光発電の寿命は30年程度だと言われているので、そのような長期間で考えて少しでも発電ロスを抑える意味で細かくパネルが構成されています。
現在の太陽光発電パネルの色は上記で説明したように、黒色と青色の2色しか展開されていません。
この理由は、太陽光の反射防止膜としてパネル表面に酸化膜、窒化膜のバリア層を施していて、このバリアの層の色が現在の太陽光パネルの色となっているためです。
また、現在太陽光を一番電気に変えられる色(集められる色)は黒というデータがある通り、機能面から見ても黒や黒に近い青が採用されることが多くなっています。
結晶 | 色 | 変換効率 |
---|---|---|
単結晶 | ダークブルー(黒に近い紺色) | 17.0% |
ブルー(青色) | 16.5% | |
ダークグリーン(くすんだ緑色) | 15.0% | |
ゴールド(くすんだ金色) | 15.0% | |
ダークブラウン(濃い茶色) | 16.5% | |
パープル(くすんだ紫色) | 15.0% | |
ダークグレー(濃い灰色) | 15.0% | |
ブライトブルー(光沢のある青色) | 13.0% | |
ブライトグリーン(光沢のある緑色) | 12.2% | |
ブライトパープル(光沢のある紫色) | 12.2% | |
シルバー(光沢のある銀色) | 12.0% |
参照元:一般財団法人新エネルギー財団
しかし、変換効率を無視して反射防止膜の膜厚や屈折率を変えれば、様々な色でパネルを作ることができます。
ただ、各メーカーからは黒と青以外のパネルの色は販売されていないというのが現状です。
参照元:日本における太陽電池出荷量 2018年度第1四半期データ表
現在の主流は単結晶モジュールになります。
単結晶パネルは、1枚1枚の発電効率が高く面積の小さい屋根でも十分な電気を作ってくれますし、屋根の大きい家であれば多くの売電収入が期待できます。
私が太陽光発電の営業マンをしていた頃(2011年頃)は、システム数によって国からの補助金が出されていたので広い屋根をお持ちのお宅であれば多結晶パネルを設置して価格を抑えて多くの補助金をもらう作戦も使えました。
しかし現在は残念ながら国からの補助金は停止されてしまっていますので、この作戦は使えません(県や市によって補助金が出ることはあります)。
ただ、多結晶は単結晶と比較すると価格が安い傾向にあり、10kW以上の産業用太陽光発電システムでは有効に働くことがあります。
従って限られた屋根スペースを有効に使用するなら単結晶、広大な土地を利用した産業用太陽光発電であれば多結晶というのが私のおすすめです。
この浜松信用金庫は日建設計。曲面対応の屋根一体型ソーラーシステム採用。 pic.twitter.com/YLG4MxIbNz
— 高橋正明 (@buzzmeak) 2014年7月9日
新築で太陽光発電を設置する事を検討しているなら屋根一体型太陽光発電という選択肢もあります。
屋根一体型太陽光発電とは、あらかじめ屋根に太陽光発電が埋め込まれているパネルになります。
パッと見では太陽光発電が設置されていないようなスマートな印象になるのが特徴です。
その反面、置き型のパネルと比較すると発電効率は低いので、経済性を重視する方にはおすすめしません。
太陽光発電のメーカーは日本製・海外製とありますが、アフターサポート重視なら日本製、価格重視派海外製をおすすめしています。
どちらが良い悪いはありません。設置者が太陽光発電に何を求めるかになります。
ちなみに2016年時点では上位6メーカーは国内メーカーになり、設置者の意向的にはアフターサポートに重きを置いていることが伺えます。
太陽光発電のアフターサポートとは、万が一の対応になります。
どうしても海外メーカーだと国内の拠点数が少ないので、万が一の不具合トラブルへの対応に不安があります。
また、海外メーカーは作られた土地環境を想定してパネルが作られているので、日本の環境での実績不足も懸念点になります。
そのような理由から、個人的にも国内メーカーをおすすめしています。
単結晶、多結晶、CISとそれぞれに特徴がありますが一般住宅に設置するなら国内メーカーの単結晶パネルがおすすめです。
最近では懸念材料だった価格面もだいぶ落ち着いてきましたし、発電量も年々増加しているので今までメリットが出なかった狭い屋根でもメリットが出てきました。
反対に10kW以上の産業用システムでは海外メーカーの多結晶パネルがおすすめです。
設置環境で日陰や天候などの不安点がある地域に関してはCISも視野に入れて検討しましょう。
設置検討の際には一応、各パネルでシミュレーションしてもらって一番メリットの大きいパネルを設置するようにしましょう。
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