パワーコンディショナの使い方を元営業マンが全力で説明してみた

パワーコンディショナとは、太陽光発電で作った電気(直流電流)を家庭で使える交流電流に変換させる、インバーターになります

太陽光発電というと太陽電池モジュール(パネル)にばかりが注目されますが、実はそのモジュールで作った電気を家で使える電気に変換するパワーコンディショナという存在がなければモジュールは活躍できません。

例えるなら、モジュールはチームの点取り屋のイメージですが、パワーコンディショナはチームの司令塔になります。

そんなパワーコンディショナの基本的な事から、なにができるかなど私が知っていることをシャープのカタログを参照しながら、これでもかってくらい説明してみました。

太陽光発電システムを選ぶ際には是非パワーコンディショナにも目を配って選んでみて下さい。

パワーコンディショナには室外用、室内用がある

室内、室外
パワーコンディショナ室内・室外用

室内に設置するイメージが強いパワーコンディショナですが、実は室外に設置できるタイプのものがあります。

パワーコンディショナってカタログで見るより実物で見ると案外大きいんです。(シャープJH-40HB2は540×168×360㎜)

しかも、システムを大きくすればするほど、もれなく大きいタイプのパワーコンディショナが付いてきます。

大抵のご家庭は分電盤の近く(洗面所、脱衣所など)に設置しますが、これは太陽光発電で作られた電気の発電ロスを少なくするためです。

何気にスペースをとるので窮屈さを感じる方もいらっしゃいました。

そのような方は室外用のパワーコンディショナを設置すればパワーコンディショナによるストレスもありません。

また沿岸地方にお住まいの方で機器の劣化が心配の方も、パワーコンディショナには『耐塩害』タイプのものがありますのでご安心ください。

定格出力はカタログ数値の80%程度が目安

定格出力
パワーコンディショナ定格出力

定格出力とは、モジュールで作ってくれた電気をパワーコンディショナが処理(変換)しきれる最大の電力量のことです。

定格出力を越えてパワーコンディショナに送られた電気はカットされて無駄になってしまいます。

また3kWのシステムを設置しても実際には、温度上昇によるロスやケーブルでのロスで3kWの電気は作れません。

なので大抵の場合、システム数よりも少し定格出力が小さい物を選ぶのが価格を抑えられます。

《例》
カタログのJH-40DD2Pの定格出力は4.0kWですが、NQ-210ADモジュール(1枚あたり210W発電)を20枚設置したら4.2kWとなりますが、さまざまな所でロスが生じるので実際には定格出力4.0kWタイプのもので事が足ります。

実際に発電する電気の量の目安はシステム数の80%程度だと言われています。

屋根に適した回路数にすることが大切

回路
パワーコンディショナ回路

太陽光発電のシステムはただ闇雲に屋根の上にモジュールを置いているわけではありません。

発電の量やロスなどを考えて各メーカー一番効率の良い枚数でシステムを組んでいます。

その最適な枚数で集めた電気を、いくつかの数に分けてパワーコンディショナに送ってやる事を回路と言います。

パワーコンディショナによって回路の数は決まっていて、カタログに列記されている回路数以下であればシステムが組めます。

ただエクソルの新型パワコンXL-PSME55Lのようなマルチストリング型のパワーコンディショナの場合は屋根の形や大きさに合わせてシステムを設計できます

《例》
JH-45DD3Pの回路数は3回路となっていますが、2回路でもシステムは組めます。

変換効率がパワーコンディショナのキモ

モジュール変換効率
パワーコンディショナ変換効率

太陽光発電では太陽の光を電気に変えているわけですが、その全てが電気に変わるわけではありません。

モジュール変換効率としては20%前後というのが現状です。

そして残念ですが、パワーコンディショナで家で使える電気に変換する際にまたロスが生じます。

なのでモジュール変更効率と同じくらい、パワーコンディショナの変換効率も大切になってきます。

各メーカー95%前後が平均ですが、三菱のパワーコンディショナは脅威の変換効率98%と頭一つ抜きに出た性能の良いパワーコンディショナとなっています

停電時も自立運転機能で電気が使える

パワーコンディショナは太陽光発電で作った電気を変換するだけでなく、作った電気を自宅で自立運転機能によって自家消費することもできます。

ただ使用できる電力量には制限があり1500Wまでの家電製品が対象となります。

また、当然ながらパワーコンディショナには蓄電機能はありませんから太陽が出ている間でした自立運転を使う事はできません。

私は2011年の東北大地震の時に仙台市にて営業を行っていましたが、お客様からたくさんの自立運転による喜びの声をいただくことができました。

⇒ 地震の時に太陽光発電が活躍した話はこちら

中でも炊飯器、スマートフォンの充電、エアコンなどが使えたことが大きいとおっしゃっていただけました。

自立運転に関しては各メーカで使い方が変わりますので、別ページの各メーカーのパワーコンディショナの使い方をご覧ください。

30〜40デシベルの音も発生する

音の大きさとしては30〜40デシベルと言われています。

一般的な冷蔵庫の音の大きさが20デシベルになりますから、冷蔵庫よりも若干音が大きいですね。

しかし、冷蔵庫の音もそうですが、パワーコンディショナの音も気になるレベルではありませんのでご安心ください。

太陽光発電にはパワーコンディショナの価格、作った電気を一つにまとめる接続箱、作った電気を家の中で見る事ができるカラーモニタなどから成立しています。

各メーカーごとにさまざまな種類があり、特徴も価格もさまざまです。

設置検討の前に、まずはご自宅にあった太陽光発電システムを知りましょう。

ちなみにパワーコンディショナは家電製品になりますので電磁波も発生します。(75mG程度)

パワーコンディショナの設置場所は分電盤の近く

パワーコンディショナの設置場所に決まりはありませんが、おすすめは分電盤(ブレーカー)の近くです。

パワーコンディショナはパネルで作られた電気を家で使える電気に変換して分電盤に流す働きがあるわけですが、電気を変換して分電盤までの距離が長ければ長いほど発電ロスが生じることになります。

ただ、住宅によっては分電盤周りにスペースがとれないお宅もあるかと思います。そのようなお宅は、屋外にパワーコンディショナを設置するという方法もあります。

屋外から分電盤に電気を流す方法ですね。

今は屋外用のパワーコンディショナもたくさん出ていますので、分電盤周りにスペースがないお宅は屋外も検討してみてください。

ちなみにパワーコンディショナの設置場所は太陽光発電設置前に行われる現地調査の時に決められるので、その時に相談しましょう。

10年周期で2~3万円のメンテナンス代が必要です

パワーコンディショナの場合、義務ではありませんが定期的なメンテナンスをおすすめしています。

というのもパワーコンディショナは家電製品になりますし、一度壊れてしまったら新品のものと交換となります。

もちろんパワーコンディショナが壊れている間は太陽光発電で作った電気は使うことはできません。

なのでパワーコンディショナについてはだいたい10年程度で中の基盤がやられてくるので、メンテナンスとして基盤の交換が必要になります。

費用はだいたい2~3万円です。

太陽光発電の寿命は30年程度になり、ものによっては半永久的に使えますが、パワーコンディショナは家電製品になりますのできちんとメンテナンスをして使うようにしましょう。

太陽光発電のパワーコンディショナまとめ

パワーコンディショナの一部始終を紹介しましたが、実は太陽光発電システムの中で一番故障の心配があるのがパワーコンディショナになります。

実に太陽光発電システムの40%以上がパワーコンディショナによるものだという報告もあります。(IEEE光起電力専門家会議)

ただ、しっかりと10年周期でのメンテナンスを行う事で長持ちしてくれますし、万が一不具合が発生しても各メーカーのメーカー保証で対応することができます。

停電時には非常用電源になってくれるなど災害時にも大変活躍してくれます。

記憶に新しい所で言えば、2018年9月に北海道地震が発生して大規模な停電(ブラックアウト)の被害がありましたが、太陽光発電の設置してあるお宅は難を逃れています。

太陽光発電を選ぶ際にはパネルだけでなくパワーコンディショナの性能やメンテナンス費用なども頭に入れて比較するようにしましょう。

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