最近は、人口減少や都心部への人口集中などの問題もあり、アパートやマンション投資を行っているオーナーも周囲の物件との差別化を目的に太陽光発電を設置する人も増えてきました。
または、アパートやマンションの損失分を太陽光発電によって補おうとする動きも見られるようになりました。
ただ、その物件に合った太陽光発電を設置しなければ逆に損をすることにもなりかねません。
アパートやマンションに太陽光発電を設置するうえでまず最初に考えなければいけないことは、10kW未満のシステム(住宅用太陽光発電システム)にするのか、10kW以上のシステム(産業用太陽光発電システム)にするのかになります。
どちらのシステムが良いのかは現在の物件の状況によりますので、物件の状態ごとにおすすめのシステムを紹介します。
また、利回りの向上の為には収益の部分だけでなく費用も頭に入れておく必要がありますので、太陽光発電にかかるメンテナンス費用に関しても紹介します。
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ページ内目次
新築のアパートやマンションには10kW以上の産業用太陽光発電がおすすめ
新築や、まだ建設して間もない物件(築5年以内)であれば10kW以上の産業用太陽光発電がおすすめです。
産業用では太陽光発電で作った電気を全て買い取ってもらえる全量買取制度になります。
かつ20年間の同じ価格(1kWあたり18円)で買い取ってくれるので、アパートやマンションのように空室のリスクなどが発生することなく長期間安定した投資パフォーマンスが期待できます。
(天気には左右されます)
新築プレミアム物件などとも言われますが、新築のアパートやマンションは人気があり入居者にも困らないかもしれませんが、最初の入居者が引っ越しをしてからはそのようなプレミア物件ではなくなってしまいますので、利回りが下がる前に太陽光発電を設置することをおすすめします。
また、アパートやマンションの屋根は雨や風、紫外線によって劣化していき大体10年に1度の手入れが必要だと言われていますが、太陽光発電を設置するとほとんど劣化しませんので本来であれば屋根のリフォームにかかったであろう経費を削減することにも繋がります。
築年数が浅い物件は、屋根が劣化する前に10kW以上のシステムを設置するとよいでしょう。
25年以上経過しているアパートやマンションであれば10kW未満のシステムがおすすめ
築25年以上の物件であれば、10kW未満の太陽光発電システムがおすすめです。
物件を仕入れた時期にもよるかと思いますが、25年以上経過しているお宅は条件によっては売却も視野に入れる必要があるためです。
そして、アパートやマンションに10kW未満のシステムを導入する際には以下の3つの設置方法になります。
- 共用部(廊下、エントランスなど)電源との連携
- オーナーの部屋に連携
- 各部屋の電源供給に連携
10kW未満のシステムの場合には10年間太陽光発電で発電した電気を固定価格で(2020年は1kW24円(出力制御対応機器設置義務あり地区は26円))電力会社が電気を買い取ってくれます。
買い取り期間は産業用よりも短いですが高い金額で買い取ってくれるので、アパートやマンションの売却にも対応しやすくなります。
ちなみに10年後の太陽光発電の買取に関しては各電力会社に委ねられている状態ですが、電力自由化の影響で新電力が表れてくれたおかげで電力会社間で競争が起き全ての大手電力会社も売電の継続を発表しています。
2019年の売電単価やこれまでの推移、出力制御地区などについては、別ページで詳しくまとめましたのでそちらのページをご覧ください。
アパートやマンションの空室率改善の為には各部屋への電源供給がおすすめ
アパートやマンションの空室率を改善する為には太陽光発電で作った電気を各部屋へ供給することがおすすめです。
太陽光発電で作った電気を各部屋に供給する方法は、オーナーは売電収入を得ることはできませんが入居者が売電収入を得ることが出来る為、他の物件と大きく差別化することができます。
また、周囲のアパートやマンションの相場よりも家賃を高く設定できるという強みもあります。
ただ、最初の工事は各部屋にも及ぶため工事費用が高くなりがちだったり、入居者の承諾を得たりなどの手間も発生します。
各部屋への電源供給はまだそれほどメジャーな方法ではありませんが、そのような状態だからこそ差別化という意味では大いに役立ちます。
太陽光発電はシステム数が少ないと割高になりがちなので(2kWのシステムと6kWのシステムでは3倍の価格差はありません)10kWにできるだけ近いシステムを設置し、海外メーカーなどを使ってコストパフォーマンスの良い太陽光発電を選ぶことです。
利回り向上の為にメンテナンス(維持)費用も計算しよう
太陽光発電にもアパートやマンションと同じくメンテナンス費用が発生します。
住宅用と産業用でメンテナンス・維持費用は異なりますので、それぞれ紹介します。
10kW未満のシステムのメンテナンス(維持)費用
メンテナンス箇所 | 周期 | 価格目安 |
---|---|---|
システムの定期点検 | 4年 | 2万円 |
パワーコンディショナの基盤交換 | 10年 | 2万円~3万円 |
モジュール(パネル)高圧洗浄 | 5年 | 5万円~7万円 |
メーカー保証の継続費用 | 10年~15年 | 1万円~4万円 |
10kW未満の住宅用太陽光発電で考えられるメンテナンス費用は上記表になります。
住宅用のシステムに関してはメンテナンスも義務になっているものはなく、全て任意になります。
ただ、メンテナンスに関しては資源エネルギー庁でも推奨されていますし、特に故障の多い箇所であるパワーコンディショナに関しては必ず行う事をおすすめします。
パワーコンディショナが故障してしまうと売電もできなくなってしまいますし、新しいパワーコンディショナは1機20万~30万円する高価なものになります。
故障する前に中の基盤交換を行えば2万~3万で済みますので、ここはケチらずに手入れを行った方が賢明です。
10kW以上のシステムのメンテナンス(維持)費用
メンテナンス箇所 | 周期 | 価格目安 |
---|---|---|
システムの定期点検 | 4年 | 5万円~10万円 |
パワーコンディショナの基盤交換 | 10年 | 3万円~5万円 |
モジュール(パネル)高圧洗浄 | 5年 | 7万円~10万円 |
電気主任技術者への人件費(50kW以上の場合必須) | 毎年 | 50万円 |
各種保険への加入(盗難・自然災害・地震) | 毎年 | 1万円~5万円 |
償却資産税 | 毎年 | 評価額×標準税率(1.4%) |
産業用のシステムに関しても、義務となる項目はありません。
ただ、50kW以上のシステムを設置する際にはオーナー自らが電気主任技術者になるか電気主任技術者を選任して保安監督部(経済産業省)に届け出ることが義務化されています。
現実的に考えると、電気主任技術者は国家資格になりますので自分で取得するのはかなり難易度の高い資格となる為、電気主任技術者を選任することによる人件費がかかってくることになります。
維持費としては各種保険への加入や償却資産税がかかってくることになります。
産業用に関しては規模が大きくなり点検項目も多くなりますので、オーナー自らがメンテナンスにあたることは不可能です。
その為、業者にメンテナンスを依頼することになります。
アパートやマンションにおすすめの太陽光発電メーカー
アパートやマンションに太陽光発電を設置する際には、10kW未満のシステムと10kW以上のシステムでおすすめの太陽光発電のメーカーは変わってきます。
10kW未満のシステムの場合には、何よりも発電量を重視することが大切になりますので東芝やソーラーフロンティアがおすすめになります。
ただ、各部屋への電源供給に太陽光発電を連携させる際には、コストパフォーマンスが大切になりますのでRECソーラーやインリーソーラーなどの海外メーカーで設置費用を抑えつつ、周囲との物件と差別化することをおすすめします。
10kW以上のシステムであれば、Qセルズやカナディアンソーラーなどの安くて高性能なパネルがあるメーカーがおすすめです。
ただ、アパートやマンションの屋根の形やその土地の気候、周囲の環境によっても最適なメーカーは変わってきます。
アパートやマンションにとって一番メリットの大きいメーカーを設置する為に、メーカー選定の際には一つ一つシミュレーションして手間を惜しまず探すようにしましょう。
太陽光発電利回りまとめ
アパートやマンションに太陽光発電を設置して利回りを向上させる方法としては、物件の状態(築年数、屋根の状態、今後も物件を保有していくかなど)をよく考えて設置することが大切になります。
アパートやマンションは比較的高い建物も多い為、一般住宅よりも屋根への日当たりが良く太陽光発電にとって好立地となるケースが多いです。
屋根環境が良い物件であれば単に遊ばせておくよりも、さらに有効に活用して投資パフォーマンスを向上させたいですね。
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