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太陽光発電の盗難トラブルが増えている
今や新築住宅の約4割に太陽光発電が設置されるなど、日本でも太陽光発電が徐々に普及してきました。
ただ、太陽光発電の普及に伴って盗難によるトラブルも増えています。
『太陽光発電の盗難』と聞いてもピンとこないかもしれませんが、住宅用(10kW以下のシステム)ではなく産業用(10kW以上のシステム)が主な被害現場となっています。
また、パネルのみならず太陽光発電を構成している付属の部品(ソーラーパネルと分電盤をつなぐ銅線)までも盗まれる事態も発生しています。
太陽光発電の盗難の手口やそれに対する対策をしておきましょう。
盗難の手口
盗難の手口として一番多いのは、設置前のソーラーパネルを誰もいなくなった建設現場から数人がかりで運び込むというやり方です。
産業用の場合、システムを設置する場所は人気の少ない広場が多いこともあって、特に深夜はノーマーク状態であることが多いので、そこに付け込まれてソーラーパネルや銅線の盗難が起きています。
産業用の場合、ソーラーパネルの量は1,000枚以上になることもざらにありますので、工期は2~3ヵ月間かかるのが相場となっています。
その間、パネルやその他の設備は無人の倉庫に保管されることになります。
太陽光発電の場合、システムが稼働すると電流が発生するわけですから、盗難するほうもうかつに近づけませんが、システムが稼働する前であれば危険性はありません。
また、防犯カメラを設置しての遠隔監視もありますが、通常システムが稼働してから防犯カメラも機能し始めることが多いのも盗難に拍車がかかっています。
盗難の目的
ソーラーパネルや銅線を盗難する目的は、転売になります。
盗難して、パネルや銅線を海外に裏のルートを使って転売するというのが目的で盗難者の動機では多くありました。
というのも、平成24年(2012年)7月以降に設置され固定価格買取制度(FIT)を開始している太陽光発電は『特殊太陽光』とされていて、その太陽光発電システムを管轄している電力会社で“F”から始まる設備IDが付与されています。
この為、日本で盗難されたソーラーパネルを日本で転売するのは難しく海外に流れている現状です。
銅線は日本での転売が行われ、1kgあたり700円~800円(時価)で取引がされています。
なので、太陽光発電の盗難では転売させやすい銅線のほうが狙われる傾向にあります。
ソーラーパネルの盗難トラブル事例
2020年3月・4月
2020年3月23日に静岡県牧之原市、2020年4月11日・25日に静岡県焼津市でアミューズメント事業などを展開する「新日邦」(藤枝市)が静岡県中部で運営している太陽光発電施設3カ所で銅線の盗難が発生しました。
被害総額は銅線計約6,760メートルで数千万円に及びます。
犯行時刻は前日深夜から翌日朝にかけて行われています。
こちらの施設はフェンスの取り付けはあったものの、監視カメラなどの防犯対策は行っていなかったようです。
フェンスは切断されて侵入されています。
現在、新日邦の太陽光発電施設において防犯対策として防犯カメラやセンサーライトの導入を順次早急にすすめているとのことです。
ニュース参照元:新日邦ホームページ
2019年5月栃木県
2019年5月14日、那須町高久丙の太陽光発電施設建築現場から、太陽光パネル1772枚(計2226万3408円相当)が盗まれ現在窃盗トラブルとして捜査されています。
2019年3月に太陽光発電設備自体の工事は終わっていましたが、通電待ちの状態で放置していたところをパネル少しづつ盗まれたのではとされています。
こちらの現場には防犯カメラは設置されていませんでした。
ニュース参照元:太陽光パネル1700枚盗まれる 栃木・那須
2017年7月銅線の盗難事例
2017年7月25日、茨城県鹿嶋市津賀の太陽光発電施設で銅線ケーブル1.9キロが盗まれました。
被害総額は1,200万円になります。
こちらのトラブルは金網フェンスが設置されてはいたが、それを破られて侵入されています。
ニュース参照元:太陽光発電所の銅線ケーブル1.9キロ盗まれる
2016年12月銅線の盗難事例
2016年12月8日兵庫県加古川市で太陽光パネルに設置された送電線約410キロ(約25万円相当)が切断され盗難されたトラブルが発生しました。(逮捕は2017年2月)
こちらは既に稼動している産業用太陽光発電が狙われています。
盗難への対策方法
産業用では被害の額も大きくなりますので、行える盗難対策は頭に入れておくことをおすすめします。
設置者が行える盗難対策としては以下の3つがあります。ご検討ください。
防犯カメラを施工中から稼働させる
太陽光発電では施工前、施工中が最も盗難の可能性の高い期間です。
なので施工が始まる前から防犯カメラの設置をし遠隔で監視できると万が一の時にも安心ですね。
また、防犯カメラの種類にもよりますがパソコンやスマートフォンから防犯カメラの様子が見られるものもあるので、気になる方はそのような防犯カメラを設置するとよいでしょう。
ただ、防犯カメラは1機5万円~10万円という高価な設備になります。
太陽光発電が投資対象物である以上、コストパフォーマンスは常に念頭に置いておかなければいけません。
設置する防犯カメラの数はコストパフォーマンスの観点から決めるようにしてください。
また、防犯カメラと一緒にセンサーライトや警報機・フェンス・有刺鉄線なども盗難対策としては有効です。
盗難保険に加入している業者にお願いする
盗難による被害がもしも発生してしまった時の為に、盗難保険に加入している業者で太陽光発電の設置をお願いするのもリスク回避としては有効な対策となります。
一般的に、動産保険で盗難による被害には対応してもらえます。
また、銅線が切断などによって盗難されその後のシステムにも不具合が生じるような場合には休業補償保険に加入している業者であれば対応してもらえます。
太陽光発電システムとは別途保険代が請求される業者もあれば太陽光発電システムに保険が組み込まれている業者もあります。
防犯カメラなどの設備で盗難には未然に対応するのがベストではありますが、システムの場所は必ずしも業者の近くで稼働しているわけではないので100%盗難を防ぐのは難しいというのが現状です。
万が一の時に備えて保険への加入、もしくは保険に加入している業者に任せることをおすすめします。
設置後にも定期的な手入れを行う
産業用太陽光発電は広場の広大な遊休地へ設置されることが多いですが、雑草が生い茂ったりゴミが捨てられていたりと見ないうちにすぐに荒れてきます。
そして、このような場所へ設置されている太陽光発電は盗難に対する対策も行っていないものだと察知し、盗難する側としては狙い場所に映ってしまいます。
反対に雑草の管理や周囲の状況がしっかり手入れをしている状況は盗難がしづらい状況に映ります。
雑草は成長することでソーラーパネルに影を作ってしまう可能性もありますし、一年に2~3回の手入れは必要とされています。
盗難対策、発電量の確保の為にも雑草の手入れは行っておきましょう。
太陽光発電が盗まれるまとめ
産業用では住宅用以上の投資という観点を持つことが大切になります。
投資である以上、最低限のリスクヘッジは頭に入れておく必要があります。
ただ、盗難対策には経費がかかりますから、これもコストパフォーマンスとの兼ね合いでどこまで力を入れることが出来るのかは太陽光発電投資のキモにもなります。
また、盗難によるリスク回避を施したらあとは業者に任せ、なるべく自分から手が離れるといいですね。
その為、安心して任せられる業者の選定は大切になります。
安易に価格だけで判断せずに、設置後のアフターフォローや盗難への対処などの総合的に比較して業者を選ぶようにしましょう。
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