海に近い場所にお住いの方は潮風による塩害などの影響もあって、太陽光発電の設置に不安をかんじている方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、太陽光発電は海に近い場所、いわゆる塩害地域に設置しても十分にメリットのある商品です。
塩害地域とは、塩害を起こす塩分が飛来する距離が懸念される地域になります。
最近では塩害による被害を加味したパネル構造、架台、ネジ、パワーコンディショナの改良が進み塩害地域でも設置できるメーカーも増えています。
(2015年位までは限られたメーカーしか塩害対策ができていませんでした)
ただ塩害地域への設置基準は各メーカーで違いがありますので、自宅環境に応じて最適なメーカーを選ぶ必要はあります。
お住いの場所が塩害地域なのかどうかの確認と共に、各メーカーの塩害地域への設置基準も確認しておきましょう。
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塩害地域早見表
一般的な塩害地域は上記表の通りです。
地域によって誤差はありますが、海岸からの距離が500m~7kmの範囲が塩害地域になります。(沖縄・離島は全域で塩害地域に値します)
重塩害地域とは、海⽔のしぶきが頻繁にかかる、若しくは強⾵時に海⽔が直接かかる地域になります。
太陽光発電の塩害地域への設置基準
メーカー | 海岸からの最低距離 | 塩害地域でのパワーコンディショナ屋外設置 |
東芝 | 500m | 〇 |
シャープ | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
パナソニック | 300m | 〇 |
京セラ | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 500m以内で塩害が想定される地域への設置はできない |
三菱 | 50m | 〇 |
ソーラーフロンティア | 500m | 海岸から500m以内または潮風が直接あたる場所には設置できない |
サンテック | 500m | 〇 |
カナディアンソーラー | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
フジプレアム | 塩害地域への設置不可 | × |
ソラキューブ | 500m | × |
キングダムソーラー | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
Qセルズ | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
トリナ・ソーラー | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | × |
RECソーラー | 塩害地域への設置不可 | × |
リクシル | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
サンパワー | 500m | 〇 |
長州産業 | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
アブリテック | 100m | 〇 |
インリーソーラー | 塩害地域への設置不可 | × |
JAソーラー | 飛散した海水がかからない場所であれば設置可 | 〇 |
塩害地域設置事例
長崎県尾上島灯台
日本で一番最初に太陽光発電が設置されたのは、1966年に長崎県の尾上島灯台(おがみしまとうだい)に設置された太陽光発電になります。
メーカーはシャープになります。
灯台ということで、雨や風が激しい場所であるにも関わらず、この太陽光発電は現在も稼働しています。
(架台やパワーコンディショナの交換はありました。)
福島県相馬市メガソーラー
2017年6月には福島県相馬市に東芝製(22万1496枚)のメガソーラーが建設されました。
海までの距離は100m程度とかなり近いですね。
こちらはまだ設置されて間もないので塩害による実績としては少ないです。
沖縄県宮古島メガソーラー
沖縄県宮古島では、2010年におよそ1kmにわたって太陽光発電が設置されたメガソーラーがあります。
メーカーはカネカ製でアモルファス(非晶質)シリコン型の太陽光パネルを採用しています。
宮古島は離島になりますので、塩害地域の中でも過酷な環境になります。
こちらも順調に発電しています。
パワーコンディショナが塩害に対応しているかも確認する
パワーコンディショナには屋内用と屋外用の2種類に分けることができます。
パワーコンディショナとは、太陽光発電で作った交流電流を家で使える交流電流に変換させる変換機になります。
一般地域でしたら、どちらでも好きな方を選ぶことができますが、塩害地域にお住いの方はメーカーによっては屋外用が選べないこともあります。
パワーコンディショナの大きさは縦700cm×横400cm幅×200cmほどありますので、家の中にあると結構かさばります。
またパワーコンディショナは一般的には発電ロスを最小に抑えるためにブレーカーの近くに設置されますが、ブレーカーの位置は玄関だったり洗面所などの狭いスペースにあることから、パワーコンディショナによって窮屈にもなりえます。
そのような理由から屋外への設置を希望される方も多くいらっしゃいました。
塩害地域にも屋外への設置が可能なパワーコンディショナは、取付金具の防錆性が強化されていることやPF管と本体のジョイント部分に水の侵入が発生しないような構造になっています。
またパワーコンディショナからは30〜40デシベル程度ではありますが音も発生します。
できれば塩害地域対応のパワーコンディショナは屋外へと設置するとストレスもかかりません。
太陽光発電と塩害まとめ
各メーカーで設置基準は変わるものの、数多くのメーカーが塩害地域にも対応しているのは、設置者からすると嬉しいですね。
ただ、塩害に対応しているとは言っても、塩害地域では潮風や紫外線の影響を受けやすいのは事実です。
その為、一般地域よりも定期的な点検は重要になります。
塩害地域にお住いの方は、定期的な点検を行ってくれる業者を選ぶことをおすすめします。
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