家庭用蓄電池の本当の寿命(サイクル回数)

蓄電池は10年を経過しても使えるが蓄電容量が減る

蓄電池の種類は全部で4種類ありますが(鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池)現在、家庭に広く普及している蓄電池はリチウムイオンになります。

リチウムイオン蓄電池は、エネルギー密度と充放電エネルギー効率が非常に高く、貯めた電気の残量が確認しやすい、長期間使用できるなどの特徴がありますが他の蓄電池に比べると寿命が短いというデメリットもあります。

リチウムイオン蓄電池の電極材料は、充放電時にそれぞれ膨張と収縮を行います。

これによって粒子の破砕が起こるために蓄電池の寿命が短くなります。

また、蓄電池の寿命にはサイクル回数で表されますが、サイクル回数とは充電100%の状態から0%まで使い切ることを1回とカウントした蓄電池の充放電回数になります。

サイクル回数が多い蓄電池ほど寿命が長いということが言えます。

一般的に言われていることの一つに蓄電池の寿命は10年程度だということがありますが、正確には10年程度で蓄電容量が減るになります。

この寿命10年は各メーカーの蓄電容量保証が10年であることに起因しています。

蓄電容量保証とは、初期の100%の定格容量からある一定の定格容量までを各メーカーが保証してくれることを言います。

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各メーカーの蓄電容量保証年数と内容

※メーカー名を選択すると、さらに詳しい特徴やそのメーカーを設置した人の口コミが見られます。

メーカー容量保証年数保証内容
シャープ10年定格容量の60%
パナソニック7年定格容量の60%
京セラ容量保証なし
エリーパワー容量保証なし
ニチコン15年定格容量の60%

電気が完全になくなる前に充電することで寿命が延びる

電気が完全になくなる前に充電することで寿命が延びる
参照元:Li電池の寿命に影響を与える外部要因について

家庭用で使われるリチウムイオン蓄電池は充放電によって徐々に定格容量が減少していきます。

この定格容量の減少具合を抑制させることが、すなわち寿命を延ばすことに繋がなります。

そして、リチウムイオン蓄電池の寿命を延ばすためには、完全に電気がなくなってから充電をするのではなく使い切る前に充電をすることが効果的だと言われています。

2010年の『Li(リチウム)電池の寿命に影響を与える外部要因について』によると100%充電を繰り返した蓄電池よりも80%充電を繰り返した蓄電池の方が蓄電池の寿命は約1.5倍ほど長くなったという報告がありました。

家庭用蓄電池では蓄電池の残量はカラーモニタによって確認することができ、細かく売電中心の設定や充電中心の設定を選択できるようになっています。

電池残量を見て買電と自家消費を使い分けることで蓄電池の寿命は延びるという事になります。

蓄電池の寿命まとめ

家庭用蓄電池は10年経過後から蓄電容量が落ちて、20年程度が本当の寿命となりそうです

ただ、蓄電池にとって優しい使い方をすることで寿命が延びますので、蓄電池導入の際には是非とも実践してほしいと思います。

また、各メーカーから発表されているサイクル回数も年々上がってきていますので、寿命の面でも性能が向上していると言えます。

長期間使うことができれば、それだけコストパフォーマンスは向上することになりますので、蓄電池導入の際にはメーカーが発表しているサイクル回数も参考に検討してみてください。

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